組織培養によるイワギリソウの大量増殖

タイトル 組織培養によるイワギリソウの大量増殖
担当機関 島根県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 : 近重克幸
発行年度 1997
要約 本県の希少植物であるイワギリソウの組織培養による大量増殖では、BA 0.02mg/lを含む培地で不定芽誘導を行い、不定芽を生じた葉身・葉柄ごとホルモンフリーあるいはNAA 0.02mg/lを含む培地に移植し、分割しやすいシュート長まで成長させた後、同培地で育成する手順が最適である。
背景・ねらい  中山間地域活性化のための山野草植物資源の園芸化及び利用技術を確立する目的で、本県の希少植物であるイワギリソウの大量増殖法を検討する。本種はイワタバコ科の多年生草本で、低温にも強く、他の山野草と比較して栽培も容易であり、園芸品種あるいは育種素材として期待できる。
成果の内容・特徴
  1. 不定芽誘導は、葉片をNAA、BA、ショ糖2%、ゲランガム0.2%を含む1/2MS培地(pH5.8)に置床して行う。全ての試験区で不定芽の発生が認められるが、NAA 0.2mg/l以上あるいはBA 2.0mg/l以上を含む培地では、多くの不定芽に徒長、葉縁の波打ち等の異常が見られる。したがってNAA 0~0.02mg/l、BA 0.02~0.2mg/lがイワギリソウの不定芽誘導に適当である(表1)。
  2. 増殖は誘導した不定芽(葉身径5mm程度のもの)をショ糖3%、寒天0.8%を含む1/2MS培地に置床することにより行う。地上部、地下部ともに生育はNAA 0.02mg/lで良好である。BAは発根を抑制し、腋芽の発生を促進する。また葉身・葉柄からの2次的な不定芽の発生がNAA 0.2mg/l区を除く全区でみられるが、BAのみを含む培地で強く誘導される傾向がある(表2)。 NAA 2.0mg/lを含む培地では、培地に接する葉身、茎が肥厚し、不定根の発生も多い(データ略)。またBAを0.2mg/l以上含む培地により誘導された腋芽は伸長せず株全体がボール状になるため、分割が困難であり、シュート長も1cm内外で短い。
  3. 順化はバーミキュライトを培土として2~3週間順化室に置くことにより行う。

成果の活用面・留意点
  1. 大量増殖ができ、地域特産物として利用可能である。
  2. 園芸作物としては地味なため、花形・花色・草姿の優れたものを選抜する必要がある。

図表1 210494-1.gif
図表2 210494-2.gif
カテゴリ 育種 中山間地域 品種

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