凍結ストロー移し替え槽利用による牛凍結胚の生存性維持

タイトル 凍結ストロー移し替え槽利用による牛凍結胚の生存性維持
担当機関 福岡農総試
研究期間 1999~2000
研究担当者 笠正二郎
上田修二
森美幸
発行年度 2000
要約 ストロー内に保存された牛の凍結胚は、保存庫移し替え時の室温暴露により融解後の生存性が低下する。室温暴露せず、液体窒素内で移し替えができる発泡スチロール製の凍結胚の移し替え槽を試作した。この槽を利用すると、胚の生存性が高く維持できる。福岡農総試・畜研・大家畜部・畜産工学研究室
背景・ねらい 牛胚凍結ストローは、輸送のため生産機関の保存庫から移植機関などの保存庫へ、さらに、移植師の保存庫へ移される。また、凍結ストローのチェックが行われている。このように、凍結ストローの液体窒素からの出入に伴う頻回な室温暴露は、融解後の胚の生存性に悪影響を及ぼすことが懸念される。そこで、室温暴露による融解後の胚の生存性に及ぼす影響を明らかにするとともに、室温暴露せず凍結ストローの移し替えができる器具を試作し、その効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 凍結ストローを保存庫から別の保存庫への移し替えに2.4秒かかり、室温暴露によりストロー内温度は-176度まで上昇する(表1)。
  2. 室温暴露回数の増加に伴い、凍結胚の融解後の生存性は低下する(表2)。
  3. 市販の発泡スチロール製の容器を用いて、底面に30度傾斜を付け、波状に加工した図1に示す凍結ストロー移し替え槽を試作した。この槽を利用すると、キャニスターを傾斜した底面に置き、その上方の液体窒素内で、ストローの番号等を確認しながら、室温暴露せず凍結ストローの移し替えが容易にできる。また、斜面には波状加工が施してあるため、凍結ストローを取りこぼしても回収が容易である(図1)。
  4. 凍結ストロー移し替え槽を利用し、液体窒素内でストローを移し替えると、融解後の胚の生存性は維持できる(図1、表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 胚移植関係機関において、凍結ストローの移し替え時の室温暴露による受胎率低下を防止する技術として利用できる。
  2. 凍結ストロー移し替え槽は凍結精液の移し替えにも利用できる。
  3. キャニスターの底面は穴があいており厚紙等で封鎖し、液体窒素がキャニスターから出ないようにして利用する。
図表1 221426-1.jpg
図表2 221426-2.jpg
図表3 221426-3.jpg
図表4 221426-4.jpg
カテゴリ 加工 輸送

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