乳用種肥育牛の肉質に及ぼす栄養水準の影響

タイトル 乳用種肥育牛の肉質に及ぼす栄養水準の影響
担当機関 新潟県畜産研究センター
研究期間 1998~1998
研究担当者 入江正和
阿部 悟
宮腰雄一(新潟)
今井明夫
藤谷泰裕(大阪)
発行年度 1998
要約 乳用種去勢牛において、8カ月齢から15カ月齢までの肥育前期~中期に、粕類を利用して栄養水準(TDN、NDF)を変え、20カ月齢まで肥育しても、枝肉成績や肉質に顕著な影響はみられない。
背景・ねらい  牛肉の輸入自由化により乳用種肥育経営の収支が悪化している。この対策として、飼料費を食品製造副産物の使用によって低減させながらきめ細やかな栄養管理を行い、輸入肉に対して品質面でまさる上位等級の肉を多く生産する技術が必要である。そこで、乳用種肥育牛において肥育ステージ別の栄養管理について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 乳用種去勢牛の肥育前期、中期(8~15カ月齢)に、粕類を利用してTDNとNDFの水準を変え、枝肉成績、肉質に及ぼす影響を2地域において調査した(表1)。
  2. 枝肉格付におけるBMS、BCS、肉の光沢、しまり、きめには試験処理及び地域間による有意な差はみられない(表2)。
  3. 枝肉重量、バラ厚、胸最長筋面積、枝肉歩留にも栄養水準による影響はみられない。しかし、画像解析法による筋間脂肪の面積(cm2 )では、試験区A(23.8)、B(26.5)、C(30.0)の順に高まる傾向にある。
  4. 胸最長筋における水分、粗蛋白質、粗脂肪、灰分、pH、L*、a*、b*(表色系)に処理(栄養水準区、地域)による差はみられない(表3)。保水性では、加圧保水性では有意な差はみられないが、遊離水分率ではA>B>Cとなり、Cがわずかによい。
  5. 脂肪の品質では顕著な影響はみられないが、A区でやや融点が高く、屈折率が低い傾向にある(表4)。脂肪酸組成では処理による差はほとんどなく、全脂質、中性脂質にも大きな変化はみられない。
  6. BFS、脂肪光沢、胸最長筋面積、枝肉歩留では地域間差がみられた。
成果の活用面・留意点
  1. 本肥育方法では肉色はよいが、脂肪交雑は少なく、しまりもよくなかったので、上位等級の肉を生産するためには、肥育期間の延長が必要である。
  2. 地域間差がみられた格付項目は、大阪農技セでの再評価、光学的評価、画像解析の結果から、評価基準の違いによるものと思われる。それゆえ、客観的な理化学的方法による評価値が必要である。
図表1 210557-1.gif
図表2 210557-2.gif
図表3 210557-3.gif
図表4 210557-4.gif
カテゴリ 経営管理 ばら 評価基準

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