温湯浸漬法によるイネ種子伝染性細菌病の発生抑制

タイトル 温湯浸漬法によるイネ種子伝染性細菌病の発生抑制
担当機関 滋賀県農業総合センター農業試験場環境部病害虫管理担当
研究期間 2000~2000
研究担当者 角田 巖
中野 学
湯浅和宏
発行年度 2000
要約 イネ種子伝染性細菌病である、もみ枯細菌病(苗腐敗症)、苗立枯細菌病、褐条病に対し、60~62℃・10分間処理の温湯浸漬が有効である。
背景・ねらい  環境への負荷軽減と農産物の高付加価値化の視点から、化学合成農薬に依存しない防除法法への期待が高まっている。そこで、イネの育苗時に発生し多大な被害を与え、しかも防除が困難とされる、もみ枯細菌病(苗腐敗症)、苗立枯細菌病、褐条病に対し、温湯浸漬法による発生抑制効果を検討する。併せて、もみの品質と処理温度との関係を調査し、温湯浸漬処理による発芽への影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. もみ枯細菌病(苗腐敗症)の発生抑制に対する実用的な処理法としては、60℃・10分間、および62℃・10分間の温湯浸漬処理が防除効果、発芽率からみて有効である(図1)。
  2. 苗立枯細菌病の発生抑制に対する実用的な処理法としては、57℃・10分間、60℃・10分間、および62℃・10分間の各処理が有効である(図2)。
  3. 褐条病の発生抑制に対する実用的な処理法としては、57℃・10分間、60℃・10分間、62℃・10分間、および64℃・10分間の各処理が有効である(図3)。
  4. もみの品質(品種、保存期間、充実程度)は、処理温度が高くなると発芽率が低下しやすい要因のひとつである(図4)。
  5. 以上の結果、いずれの病害に対しても60~62℃・10分間の処理が有効である。

成果の活用面・留意点
  1. もみの品質が劣る(保存期間が長い、保存状態が悪い、充実不足等)場合には処理しない。
  2. 処理温度・時間は発生抑制効果や発芽に影響を及ぼすため、処理条件を遵守する。
  3. 発芽障害防止のため、処理後は直ちに冷水により冷却する。

図表1 211009-1.jpg
図表2 211009-2.jpg
図表3 211009-3.jpg
図表4 211009-4.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 高付加価値 農薬 品種 防除 もみ枯細菌病

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