サツマイモ焼酎廃液由来濃縮液の畑雑草抑制効果

• 担当機関: （独）農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
• 研究期間: 2002～2004
• 研究担当者: 安達克樹; 小林 透; 鈴木崇之
• 発行年度: 2004
• 要約: サツマイモ焼酎廃液由来濃縮液の800ml/㎡土壌表面散布は、トウモロコシの出芽率を低下させることはなく、畑雑草種子（メヒシバ、アオビユ）の出芽を抑制する。夏作トウモロコシ圃場においても抑草効果がある。
• キーワード: 焼酎廃液、畑雑草、抑草効果、トウモロコシ、サツマイモ
• 背景・ねらい: サツマイモ焼酎製造過程で排出される焼酎廃液は海洋への投棄や圃場への還元が困難となり、その処理が問題となっている。焼酎廃液を有効活用するためには常温で保存できる状態に資材化することが必要である。焼酎廃液由来濃縮液は、サツマイモ焼酎製造過程において、常圧蒸留により生じる焼酎廃液（焼酎粕）を固液分離し、分離した液体部分を10倍濃縮することでつくられる。常温で長期保存が可能であり利用期間が拡大する。この焼酎廃液由来濃縮液を用いた畑雑草抑制効果を明らかにする。
• 成果の内容・特徴: 1.; 焼酎廃液由来濃縮液を800ml/㎡散布するとイネ科雑草のメヒシバ、広葉雑草のアオビユの出芽を抑制する（図１）。; 2.; 焼酎廃液由来濃縮液はトウモロコシの出芽を数日遅延させるが、出芽率は変わらず、トウモロコシの出芽に対する影響は小さい（図２）。; 3.; 夏作トウモロコシ播種後、焼酎廃液由来濃縮液を800ml/㎡散布しても、播種後27日までの草丈に差は見られない（図３）。; 4.; 夏作トウモロコシ播種後、焼酎廃液由来濃縮液を800ml/㎡散布すると、播種後約1ヶ月の雑草数、雑草乾物重は無除草区よりも著しく減少する（図４）。
• 成果の活用面・留意点: 1.; 畑作における減農薬栽培の参考となる。; 2.; 焼酎廃液由来濃縮液には窒素、リン酸、カリがそれぞれ1.16、0.74、2.15％含まれるので、栽培時の施肥量を考慮する必要がある。; 3.; 焼酎廃液由来濃縮液は試験的に作られたもので、除草剤登録されたものではなく、試験目的以外では使えない。; 4.; 焼酎廃液由来濃縮液は、pH4.0の黒褐色の液体である。
• カテゴリ: 病害虫 雑草 除草 除草剤 施肥 とうもろこし 農薬 播種