寒冷地水田における稲わら堆肥と牛ふん堆肥の連用条件での窒素の動態

タイトル 寒冷地水田における稲わら堆肥と牛ふん堆肥の連用条件での窒素の動態
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2002~2004
研究担当者 西田瑞彦
加藤直人
住田弘一
関矢博幸
発行年度 2004
要約 10gN/m2相当の堆肥連用開始から3作目に、水稲に吸収される重窒素標識稲わら堆肥、おがくず入り牛ふん堆肥由来窒素の合計は、それぞれ単年施用分の10%、7%にあたる。3作後に残存する稲わら堆肥、おがくず入り牛ふん堆肥由来窒素の合計は、それぞれ全施用量の73%、87%となる。
背景・ねらい
水田に施用した堆肥の分解特性、その窒素収支は、無施用区との差し引き法、ガラス繊維ろ紙法等を用いて推測されてきた。近年、このような間接的手法による推測ではなく、重窒素で有機物を標識し、それを施用して有機物由来窒素を直接追跡する方法が用いられるようになってきた。しかし、その事例は限られており、堆肥連用条件では関西以西におけるポット試験の事例しかない。そこで、稲わら堆肥と家畜ふん堆肥を寒冷地水田の圃場条件で3年間連用するなかで、各年次に施用された重窒素標識稲わら堆肥とおがくず入り牛ふん堆肥の窒素の動態を経年的に追跡する。
成果の内容・特徴
1.
稲わら堆肥の連用開始から3作目に、水稲に吸収される各年次施用の稲わら堆肥由来窒素の合計は単年施用分の10%にあたる(表1)。
2.
家畜ふん堆肥の連用開始から3作目に、水稲に吸収される各年次施用のおがくず入り牛ふん堆肥由来窒素の合計は単年施用分の7%にあたる(表1)。
3.
各年次に施用された堆肥窒素の多くは土壌に残存して蓄積される。各年次に施用され、残存する堆肥由来窒素の合計は3作後には稲わら堆肥が22gN/m2(全施用量の73%)、おがくず入り牛ふん堆肥が26gN/m2(全施用量の87%)となる(図1)。
4.
有底枠と無底枠の系外損失の差から推定される下層への流亡による損失は少ない(図2)。
成果の活用面・留意点 1.
重窒素標識した完熟堆肥を寒冷地の細粒灰色低地土水田に施用した情報である。堆肥由来窒素の利用率や残存率は、気象、土壌、堆肥の腐熟度等の条件に影響される。
2.
家畜ふん堆肥については3畜種混合堆肥(無標識)の連用の中で、重窒素標識おがくず入り牛ふん堆肥が施用されている。
図表1 211506-1.gif
図表2 211506-2.gif
図表3 211506-3.gif
カテゴリ 水田 水稲

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