タイトル |
たまねぎ秋まき栽培の総合技術 |
担当機関 |
ホクレン農業総合研究所 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
宮浦邦晃
兼平 修
志賀義彦
小松 勉
森 尚久
田村 修
田中静幸
日笠裕治
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
たまねぎの秋まき栽培は、府県の秋まき用中晩生種を用い、8月中旬に播種する移植栽培とする。融雪期に停滞水が生じない透水性のよい圃場を選ぶ。春まき栽培より病害虫の被害が少なく、減農薬栽培が可能である。
|
背景・ねらい |
近年は府県のたまねぎ生産が減少したこともあって、府県産と北海道産の端境期を中心に 輸入が増加している。こうした端境期の出荷をねらいとして、北海道では新しい作型である 秋まき栽培の指標を策定する
|
成果の内容・特徴 |
- 抽台の抑制と越冬株率の向上、球の肥大性の確保などからみた苗床の播種適期は8月中旬
である。
- 品種は耐抽台性および越冬性、収量性などから府県秋まき用品種の中晩生種が適当で、7
月下旬から8月上旬の収穫が可能である。
- 根切り時期が遅れると裂皮球などの規格外球が増加するので、倒伏揃期から7日目頃の根
切りが適当である。収穫が遅れると変形球や裂皮球が増加する。
- 収量確保のためには、早春の窒素追肥が不可欠で、施肥量は10㎏/10aとする。秋の窒素基
肥は、初期および中期の生育量、一球重および糖含量に効果があり、施肥量は5㎏/10aとす る。ただし、これらは暫定値である。
- 安定的に秋まきたまねぎを栽培するには下層の透水性が良く、停滞水が発生しない土壌を
選択する必要がある。
- 秋まきたまねぎにおける白斑葉枯病の発生は、春まき栽培に比べて明らかに少なく、病原
菌の分離率も低かった。ネギアザミウマの食害程度は、同時期の春まきと同程度であるが、 倒伏時期が7月上、中旬と早いため、ネギアザミウマの加害から逃れることができた。 (表1), (表2), (表3), (表4)
|
成果の活用面・留意点 |
- 適用地域としては当面は年内に積雪の見込める道央地域とし、下層の透水性がよく、融雪
期に停滞水が発生しない圃場を選定する。
- 播種が早すぎると生育が進み、抽台が多発する危険性が高まる。また、播種が遅れると生
育量が確保されず越冬率が低下する。越冬前の生育量で葉鞘径6~7㎜を目安とする。
- 春まき栽培で主要病害虫である白斑葉枯病とネギアザミウマは秋まき栽培では発生または
被害が少ないが、春まき栽培と異なる病害虫が発生する可能性があるので注意を要する。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
病害虫
害虫
出荷調整
施肥
たまねぎ
ねぎ
農薬
播種
品種
|