タイトル |
透過光による大豆群落生育情報の測定法 |
担当機関 |
北農試 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
大豆群落の葉色を測定する際、RGB画像から透過光卓越部を抽出することで、葉色測定での外乱要因となる鏡面反射光等の光環境の影響を減少させることが出来る。
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背景・ねらい |
大規模畑作農業で精密な管理を行うには、少ない労力で広範囲の生育情報を得る必要がある。それには、トラクタによる圃場作業管理中にこれを行うのが1つの方法である。しかし、屋外の作物群落を対象として光学的なセンシングを行う場合、時間、撮影方向による光環境の違いにより測定値が大きく変化する。このため、光環境の影響を受けずに作物群落画像から作物情報を得る手法が必要である。
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成果の内容・特徴 |
- 晴天時に逆光方向から撮影された画像中から、撮影側からみて葉の裏より直達光のあたる透過光卓越部と、同じ面に光があたる反射光卓越部が区別でき(図1)、また透過光卓越部の葉面の向きは、太陽に対する撮影方向を決めることで一定範囲内に限定できる。
- 屋外大豆群落のRGB画像中の透過光卓越部ではR値、G値は相互に関連した増減が見られるが、大豆葉は青色に相当する波長の光をほとんど透過しないためB値は小さく、ばらつきも小さい(図2)。
- 透過光が反射光に比べ卓越している部分については、単色画像間の演算G-B画像を適切な閾値で2値化することで容易に抽出できる(図3)。
- 葉色の測定が困難とされる逆光位置から撮影した場合、透過光卓越部で平均したR/G値及び画像全体で平均したR/G値の各々と葉身窒素含有率との相関係数はそれぞれ0.92、0.78となり、透過光卓越部との相関がより高い(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- CCDカメラで撮影したRGB画像から、生育状態、生育むらを把握する際に応用できる。
- 日射が弱い場合や撮影方向によっては、透過光の影響が顕著に現れず、透過光卓越部の特定が困難になる。
- G-B画像を2値化する閾値決定の自動化を行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
作業管理
センシング
大豆
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