タイトル |
極早生りんご新品種候補系統「HC15号」 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
稲川裕
柿崎昌志
吉田昌幸
小賀野隆一
村松裕司
田中静幸
渡辺久昭
峰岸恒弥
野田智昭
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発行年度 |
1999 |
要約 |
りんご新品種候補「HC15号」は極早生系統であるが、既存の早生品種と比べて果実が大きく、良食味で、日持ち性に優れる。
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背景・ねらい |
既存のりんごの早生品種は日持ち性に乏しく、普及されている品種が限られている。そこで、極早生品種の「マンテット」に果肉質の優れた中生の「HAC6」を交配して、早生で日持ち性のある優良な品種の育成をめざした。
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成果の内容・特徴 |
- 樹姿はやや直立し、樹勢は「きたかみ」よりやや強い。枝梢はやや太く、節間長は長い。花色は淡桃色で、花弁は卵形である。発芽期~落花期まで「きたかみ」とほぼ同時期であり、収穫期は9月上旬で、「きざし」より5日程度遅く、「きたかみ」より2週間程度早い。花芽の着生は「きたかみ」と同等に良好である。早期落果はほとんどなく、収穫適期での後期落果もほとんどない。生産性は「きたかみ」と同程度に高い。
- 果実の大きさは250~300gで、「きたかみ」より大きく、果形は円形である。収穫適期の果皮の色は、地色が緑色で、陽向面が鮮紅色にわずかに着色する。果皮面は滑らかで、脂質は少なく、さびはこうあ部にわずかに発生する。また、心かび、裂果はほとんど発生しない(表1)。
- 果肉質は「きたかみ」、「きざし」より優れる。食味は「きざし」より優っている。糖度は12.5~13.5%、酸度は0.7g/100ml前後とやや酸味が多いが夏に食べる果物としてさわやかである(表2)。日持ち性が優れており、室温下でも果肉が軟化しにくく、適食期間は収穫直後から6~7日間である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 道内の観光需要に応えられ、地場消費用の極早生品種として有望と考えられる。
- 同一樹内でも果実の熟期がばらつくので果実の地色2.0~2.5を目安にすぐり収穫をする。樹勢がやや強いため、新梢が遅伸びするような条件では凍害が発生する場合があるので、樹勢が強くなりすぎないように努める。
平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分 課題名:りんご新品種候補「HC15号」(普及奨励)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
新品種
凍害
ばら
品種
良食味
りんご
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