メドウフェスクの集約放牧適性

タイトル メドウフェスクの集約放牧適性
担当機関 北海道農業試験場
研究期間 1997~1999
研究担当者 (落合一彦)
小川恭男
須藤賢司
池田哲也
梅村和弘
発行年度 1999
要約 メドウフェスク草地を集約放牧利用した場合の牧草の収量と栄養価、乳牛による嗜好性、産乳量はペレニアルライグラスと同等である。利用草高は植生維持の観点から、ペレニアルライグラスよりやや高めに25~30cmに設定する。
背景・ねらい 搾乳牛の集約放牧用草種には嗜好性や再生力に優れるペレニアルライグラス(PR)が適しているが、土壌凍結地帯での越冬が困難である。これに対して、メドウフェスク(MF)は耐寒性に優れ、嗜好性も良いとされ、PRの代替草種として期待できる。しかし、MFは採草地の随伴草種として混播利用される場合が多く、集約放牧条件下での評価がなされていない。そこで、MF(品種・トモサカエ)主体シロクローバ(WC)混播草地で造成後5年間にわたり集約放牧を実施し、その特性をPR主体WC混播草地と比較対照する。
成果の内容・特徴
  1. 小放牧試験
    1)草高20cmに達するごとに放牧利用するとMFは減少し、ケンタッキーブルーグラス(KB)などの侵入が増加する(図1)。これに対して、25~30cmの利用では、MFは高い割合で維持できる(図2)。
    2)草高25~30cmで放牧利用した際の栄養価は、PRを20cmで利用した場合よりやや低いが、TDNは放牧期間平均で72.0%であり、十分高い栄養供給が可能である(表1)。また、放牧草の嗜好性はPR同様良好である。
  2. 実規模試験
    集約放牧条件下におけるMFの年間乾物収量はPRと同等以上である。放牧期間中の平均日乳量は33kgで、産乳成績はPR利用の場合と同等であり、放牧期間中に必要なTDNの51%を放牧草から供給できる(表2)。草地1haあたりからの乳生産量はMF、PRとも7000kg程度と推定される。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果はMFが栽培可能な地帯に適用できるが、収量は地帯毎に異なる場合がある。また、産乳成績は牛群の平均泌乳ステージや補助飼料給与量により変化する。
  2. 放牧専用利用の場合、出穂期以降に掃除刈りを行うことが望ましい。
図表1 212150-1.gif
図表2 212150-2.gif
図表3 212150-3.gif
図表4 212150-4.gif
カテゴリ さやいんげん 耐寒性 乳牛 品種

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