衛星リモートセンシングを利用した米粒タンパク含有率区分図の作成

タイトル 衛星リモートセンシングを利用した米粒タンパク含有率区分図の作成
担当機関 北海道立中央農業試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者 安積大治
三木直倫
志賀弘行
発行年度 1999
要約 水稲成熟期の衛星データから得られた正規化植生指数と、実測した米粒タンパク含有率との間には高い正の相関がある。衛星リモートセンシングを利用して、米粒タンパク含有率区分図を作成できる。
背景・ねらい 米流通は、集荷段階で米粒タンパク含有率および整粒歩合によるランク付けが行われるようになっており、生産段階では低タンパク米生産を支援する技術の充実が求められている。しかし、現在生産現場での米粒タンパク含有率の把握には多大な時間・労力を要している。
そこで、広域観測が容易な衛星リモートセンシングを利用して米粒タンパク含有率を圃場毎に推定し地図化する手法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本道の主要な稲作地帯である石狩川下流域を対象として、1992年・1993年・1995年の3ヶ年について、水稲成熟期の正規化植生指数(NDVI)と市町村別の平均米粒タンパク含有率との関係を検討したところ、両者の間にはいずれの年次についても高い正の相関があり、NDVIが大きくなるほど米粒タンパク含有率が高くなる傾向にある(表1)。
  2. 大規模水田が広く分布する夕張郡長沼町において1998年・1999年に実施した調査でも、石狩川下流域で得られた傾向と同様に、水稲成熟期のNDVIと現地圃場で実測した米粒タンパク含有率との間には正の相関があり、衛星データを用いて個々の圃場の米粒タンパク含有率の推定が可能である(図1)。
  3. 水稲移植~幼穂形成期(5月下旬~7月上旬)の衛星データから水田を判別し、成熟期(8月下旬~9月上旬)の衛星データを利用して米粒タンパク含有率を推定することにより、米粒タンパク含有率区分図を作成できる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果の当面想定されるユーザーは、市町村などの行政機関や農協などの団体である。
  2. 得られた米粒タンパク含有率区分図は、(1)改善技術を導入する圃場の選定、(2)各種栽培管理技術の評価、(3)米の分別集荷等に利用可能である。
  3. 本成績は移植栽培の「きらら397」および「ほしのゆめ」を対象として検討したものであるが、他品種についても利用拡大が可能である。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:衛星リモートセンシングを利用した米粒タンパク含有率区分図の作成(指導参考)
図表1 212176-1.gif
図表2 212176-2.gif
図表3 212176-3.gif
カテゴリ 栽培技術 水田 水稲 品種 リモートセンシング

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる