ばれいしょのでん粉価に基づく調理・加工適性

タイトル ばれいしょのでん粉価に基づく調理・加工適性
担当機関 北海道立中央農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 加藤 淳
小宮山誠一
目黒孝司
発行年度 2000
要約 ばれいしょを粉ふきいも、ふかしいもおよびフライドポテトに調理する場合、でん粉価が高いものはほくほく感に富み食味評価が高まる。一方、肉じゃがおよびカレーでは、でん粉価の低いもので煮くずれが少なく食味評価が高まる。
背景・ねらい ばれいしょのでん粉価の違いは調理・加工過程および食味に大きな影響を及ぼす。でん粉価に基づいて仕分けしたいもの調理・加工適性および食味を評価することにより、でん粉価を重視したばれいしょ流通に資する。
成果の内容・特徴
  1. 調理後の食味評価において重視される項目は、硬さおよびほくほく感といった食感に関するものであり、軟らかく、ほくほく感に富むものの評価が高い(表1)。
  2. でん粉価の高いものは、「粉ふきいも」では粉ふきが多く、ほくほく感に富み(図1)、「肉じゃが」では煮くずれが多く、やわらかくなる(図2)。
  3. 「粉ふきいも」および「ポテトサラダ」では、火がとおりにくいために低でん粉価(「11」・「12」)のものの調理・加工適性がやや劣る(表2)。これに対し、「肉じゃが」および「カレー」では、煮くずれしやすいために高でん粉価(「15」・「16」)のものの調理・加工適性がやや劣る(表2)。
  4. 「粉ふきいも」、「ふかしいも」および「フライドポテト」では、でん粉価が高いものほどほくほく感に富み、食味の総合評価は高まる(表3)。一方、「肉じゃが」および「カレー」といった煮込む調理法では、でん粉価の低いもので煮くずれが少なく、適度な硬さを維持できるため食味の総合評価が高まる。「電子レンジ加熱」および「ポテトサラダ」では、でん粉価区分「11」・「12」~「15」・「16」の範囲での食味評価に大きな違いは認められない。
成果の活用面・留意点
  1. ばれいしょの調理・加工適性を考慮したでん粉価仕分け出荷の参考となる。
  2. でん粉価情報を付与したばれいしょ流通上の参考となる。
  3. でん粉価に基づく調理・加工適性評価および食味評価は「男爵薯」を対象とする。

平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:ばれいしょのでん粉価に基づく調理・加工適性(指導参考)
図表1 212312-1.jpg
図表2 212312-2.jpg
図表3 212312-3.jpg
図表4 212312-4.jpg
図表5 212312-5.jpg
カテゴリ 加工 加工適性 出荷調整 ばれいしょ 良食味

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