林業労働災害要因の評価と予測

タイトル 林業労働災害要因の評価と予測
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 今富裕樹
山田容三
生産技術部労働科学研究室 豊川勝生
発行年度 1992
背景・ねらい 森林作業システムの中で安全は欠かすことの出来ない要素であるが,林業労働の災害発生率は依然として高率である。一層の安全を期するため,災害の事実に基づいたデータを集め,災害原因に対する人間一機械一環境系からの科学的な分析を行い,安全対策を考える必要がある。このため,国有林野事業の森林作業における労働災害の発生に影響を与える要因の統計的解析や,民有林の林内作業車,集材機集材作業の災害要因分析から,災害防止対策上の留意点を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 国有林野事業労働災害(昭和63年度~平成2年度)の統計的分析:
    災害発生の事業別割合は,製品生産49.9%,造林21.7%であり,両者で全体の約3/4を占めた。このうち,製品生産では伐倒作業(48.7%),造林ではつる切り・除伐作業(53.8%)において圧倒的に多発していた。災害多発作業について災害発生要因を示す(表1)。また,労働災害を死傷千人率で求めると,30代が高く,40~50代が低く,60代で再び高くなる傾向があり,さらに,若年層では伐出作業,高齢層では伐出,造林作業などで転倒災害が多いことなどの特徴を示した。
  2. 林内作業車による集材作業の災害分析:
    ここでは,現場で手軽にでき,しかも効果的な災害分析法としてCTAを紹介する。まずCT(Casual Tree)(原因樹)を作成する(図1)。CTAの特徴は災害発生のアクティビティ要素として,
    1. 人に関する要素(略記号:1)
    2. 作業内容に関する要素(略記号:T)
    3. 物・機械・設備等に関する要素(略記号:M)
    4. 物理的な作業環境要素(略記号:Ep)
    5. 管理的な作業環境要素(略記号:Es)
    を考える。また,次のような検討も大いに参考になる。
    • 要素別の出現割合(表2)
    • 災害要素間の関連
  3. 集材機による集材作業の災害分析:
    集材機集材の労働災害679事例の分析結果から,労働災害の基本的特性を調べ,災害発生件数の多い作業内容-荷掛け,荷掛退避,荷卸し,架設,撤去について,人的要素,作業要素(機械的,人的),機械・器具要素,作業環境要素の4側面からも災害発生要素を取りまとめた(表3)。表の作業内容は,作業条件や作業場所が変化するものが多く,危険作業時に安全の意識レベルを上げることの必要性が示唆された。

図表1 212321-1.gif
図表2 212321-2.gif
図表3 212321-3.gif
図表4 212321-4.gif
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