民有林と整合性のとれた国有林の森林計画作成手法

タイトル 民有林と整合性のとれた国有林の森林計画作成手法
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 林業経営部生産システム研究室 天野正博
発行年度 1992
背景・ねらい 国産材の自給率が30%を切る一方で,依然として材価が低迷している今日,地域において国有林と民有林がそれぞれ独立に木材生産活動を行っていては,地域林業の組織化の進展は望めない。このため,国有林と民有林が整合性のとれた木材生産計画を作成する必要がある。国有林にとって新しい計画手法としては,数理計画と減反率が考えられる。数理計画手法は林業の持つデータ精度の粗さから適用が困難であったため,民有林で実施されている減反率手法について検討した。
成果の内容・特徴 国有林の森林計画策定手法は保続表法と呼ばれ,伐期齢級以上の外分を高齢級から伐採しようという方式である。民有林では各齢級の森林が一定の確率で伐採されるという前提で,減反率手法を適用している。図1は九州の国有林管内における1988年から1990年にかけてのヒノキ伐採林分を齢級別に整理したものである。保続表方式の思想からすれば11~12齢級に集中すべきであるが,特定の齢級に伐採が集中することなく,14齢級を中心として正規分布に近い形で分散している。この原因を国有林事業の収入面から検討してみる。図2は立木販売されたヒノキのha当たり立木価格と伐採林齢の関係を示したものであるが,500万円以下では立木販売が実施されていない。また,立木価格が伐採林齢が高くなるにつれ増加するような傾向もない。同じくヒノキの伐採林齢と素材生産額の関係を調べると,ほぼha当たり1000万円以上で伐採されている(図3)。この図でも,伐採林齢と素材生産額の間に一次の関係を見ることはできない。国有林が事業体であるため伐採が材積ではなく収入を基準として行われることから,このように一定の金額以上で伐採が実施されている現象は容易に理解できよう。さらに,伐採される立木材積自体も森林のおかれている立地環境や施業履歴が異なるため,図4に示すように伐採林齢との相関は低く,これも伐採林齢が分散する原因の一つである。以上のことから伐採時期に各林分から一定額の収入を得ようとすれば,伐採林齢を適当に分散させねばならず,国有林の伐採傾向は減反率理論を適用するのに理論的には不都合が生じない。このことから,国有林と民有林とを整合性のとれた形で包含する森林計画には,減反率を用いることが望ましく,そのための計画作成システムを開発した。

図表1 212331-1.gif
図表2 212331-2.gif
図表3 212331-3.gif
図表4 212331-4.gif
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