ニホンリスの貯食行動によるオニグルミの更新

タイトル ニホンリスの貯食行動によるオニグルミの更新
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 林 典子
新島 渓子
勝木 俊雄
横山 敏孝
発行年度 1994
背景・ねらい リスは木の実を貯え、あとで食べる“貯食”という習性をもつ。しかし、貯食される場所、貯食されたもののうちどれだけが食べ残され発芽するのか、などを調査することは困難であった。この研究では、リスが運んだ種子の位置を知る新しい手法を開発し、種子がどのようなところに貯食され、どれだけ食べ残されるかを自然環境下で調べた。また、実生の位置を調べることにより、森林の更新に及ぼすリスの役割を明らかにした。
成果の内容・特徴 小型の無線発信機(本体約2g)を木の実に付け、運ばれた位置を受信機で探索したところ、たいへん有効であることが分かった。この方法を、ニホンリスによって貯食されるオニグルミの種子に適用したところ、以下の点が明らかになった。

  1. ニホンリスはオニグルミ種子を傾斜の山側に持ち運ぶ傾向がある。
  2. 種子は地面の落葉の下や、樹上の枝の聞に貯食された(口絵写真)。貯食場所は母樹から15m以内が多いが、1~168mと変異が大きい(図1)。
  3. 秋にリスは156個のクルミを運んだが、このうち42%はすぐに食べ、58%は貯食した(地面に47個、樹上に44個)。このうち39%(61個)は後日リスが食べ、12%(19個)はアカネズミが盗んだ。樹上に貯食したもののうち8個は落下した。結局、7%(樹上から落下した8個と地面の3個)は5月まで地上に放置され、発芽の機会を持った(図2)。

次に、オニグルミの実生の位置を調査した(図3)。160m×80mの調査地内に、発芽直後から6年たった苗木まで52個体が観察された。母樹から実生の距離は最大105mであった。また、実生は樹から離れた山側に多く(図3右下)、リスによる種子の運搬がオニグルミの更新にかかわっていることが示された。
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図表2 212371-2.gif
図表3 212371-3.gif
図表4 212371-4.gif
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カテゴリ くるみ

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