| タイトル | 劣化林の遷移過程 |
|---|---|
| 担当機関 | 森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
清野 嘉之 田中 永晴 太田 誠一 |
| 発行年度 | 1994 |
| 背景・ねらい | 東カリマンタン州バリクパパン市とサマリンダ市を南北に結ぶ約115kmの道路はジャラン・ラヤと称されている。ムラワルマン大学のブキットスハル卜演習林はそのほぼ中間点にあり、演習林を含む773.5km2の森林が保護林に指定されている。1978年まではフタバガキの択伐が行われ、1982~83年には有名な大森林火災が起きた。大木が失われたところに火事後、陽樹マカランガが生え、再生林を優占した。攪乱程度の異なる三つの林にJICAプロジェクトのMatius、沖森氏らがプロットを設けて以来、この劣化林の生態がモニタリングされている(写真)。 |
| 成果の内容・特徴 | 1988年の劣化林の木部量は最大樹高が同程度の一次林の半分から1/5しかなかった。5年7か月の調査から劣化林の地上木部新生量は4.4~9.1t/ha・y、純増加は1.4~6.3(平均3.5)t/ha・yと推定された。純増加量を3.5t/ha・y、攪乱で失われた量をかりに200t/haとするとバイオマスが回復するには1988年以降、57年かかる計算になる。木部量と種数(図1)の増加は中程度に攪乱された林で最も速く、種数は一次林と変わらないところまで増えてきたが、種の入れ替わりが起きている。強く攪乱された林では失われる種の方が多く合計種数は減ってしまった。一方、一次林と劣化した二次林下の土壌中の養分量を深さ1mまで比較すると、Ca(カルシウム)は一次林が劣化した二次林よりわずかに多かったが、P(リン)では671kg/ha、K(カリウム)では550kg/ha、Mg(マグネシウム)では275kg/ha、それぞれ劣化した二次林の方が多く蓄積されていた(図2)。この差が、劣化林のバイオマス回復に使われ、200tの回復に必要な養分量をPで20kg/ha、Kで419kg/ha、Mgで12kg/ha、Caで856kg/haとすると、P、K、Mgでは劣化した二次林の土壌中に蓄積されている量で回復が可能であるが、Caについては不足となる。1994年11月より1年間降水中の各養分量を測定した結果(図3)からは、Caは一年間に2.lkg/haもたらされる。これが回復に使われるとすると、408年かかることになる。 JICAでは引き続き森林の長期モニタリングの研究協力を予定している。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| 図表7 | ![]() |
| 図表8 | ![]() |
| カテゴリ | モニタリング |
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