| タイトル | ニホンジカ個体群の管理のための指針プログラムの作成 |
|---|---|
| 担当機関 | 森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
三浦 愼悟 堀野 眞一 |
| 発行年度 | 1995 |
| 背景・ねらい | 最近、ニホンジカ(以下シカ)の分布域と個体数が各地で急速に増加し、深刻な農林業被害が発生している。農林業被害を回避し、シカ個体群との共存を図るには、状況によっては個体数の調整を含む個体群管理を行うことが必要である。担当行政が個体群管理を実施するには、現状の個体数を把握し、目標とする適正密度を設定し、個体数調整計画を策定することが重要である。この研究では、これまでに得られた年齢構成や繁殖率の資料を踏まえ、個体数調整計画を策定する際に必要な支援シュミレーション・プログラム「シム・バンビ(SimBanbi)」を作成した。 |
| 成果の内容・特徴 | このプログラムは、オスメス別にいろいろな捕獲頭数と捕獲期間を試行的に入力することによって、以後の個体数と年齢構成の推移を視覚的に検討しつつ、どのようにして適正個体数へと導くかを意志決定できる。実際の適用例を岩手県五葉山個体群を対象に紹介したい。 五葉山地域の生息数は、1993年にヘリコプターを使った大規模な空中センサスの結果、約6000頭(オス1500頭、メス4500頭)と推定された。この生息数は明らかに過剰で、農林業被害を回避し、生態系を保全できる適正な頭数は2500~3000頭と見積もられた。つまり、現状の生息数を約半分に減らすことが目標である。どのような計画が妥当か、このプログラムで検討してみよう。 これまでに得られてきた人口学的資料(標本として回収された有害駆除個体の分析から得られた年齢構成、齢別繁殖率と死亡率など)を入力しプログラムを動かす。ここでは便宜上メスだけを検討する。まず、図1Aは、捕獲しない場合の個体数と年齢構成の推移を、密度効果を想定せずに求めたものである。当然のことながら、生息数は急速に増加することが見て取れる。この個体群にいろいろな捕獲圧を加えてみよう。図1Bは、岩手県の方針に従って、3年間毎年1300頭ずつ捕獲するシナリオである。生息数は急速に減少し、4年後にほぼ適正頭数である1200頭前後を推移する。しかし、これでは捕獲圧が強すぎて保全上危険が伴う。これに代わり、毎年800頭ずつ5年間捕獲するシナリオを計算したのが図1Cである。適正密度に達するまでに2年の遅れがあるが、ほぼ同様の結果が得られ、より「軟着陸」といえる。このプログラムは岩手県のほか、栃木県、宮崎県などでも適用性が検討されている(無料公開)。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| カテゴリ | シカ 繁殖性改善 |
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