森林作業中の作業者の腰にかかる力の解明

タイトル 森林作業中の作業者の腰にかかる力の解明
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 山田 容三
豊川 勝生
今冨 裕樹
発行年度 1995
背景・ねらい 林業作業者の4人に1人が腰痛の自覚症状を持っているといわれている。この理由として、林業作業では前屈みの作業姿勢が多く、作業者の腰の部分に無理な力がかかりすぎているのではないかという問題が考えられる。この腰にかかる力を軽減するためには、作業姿勢の改善あるいは作業器具の改良が必要であり、そのための基礎資料としての森林作業中の作業者の腰にかかる力の解明を行った。しかし、腰にかかる力を直接測ることはできないので、バイオメカニクス(生体力学)手法を用いて、作業姿勢から間接的に腰にかかる力とモーメントを検討した。
成果の内容・特徴 植栽作業中の腰にかかる力(図1)は0.7~2.1kNであったが、鍬を振る動作の最大値は作業限界3.4kNを越えていた。また、腰のモーメント(図2)はいずれも「ふつう」から「やや重い」作業に分類されたが、鍬を振る動作の最大値は「重い」作業に評価された。鍬を振り降ろす動作では瞬間的に大きな力を腰にかけることになり、椎間板ヘルニア等の障害をもたらす危険性が考えられる。刈払い機を用いた下刈り作業中の腰にかかる力は0.7~1.9kNであり、作業限界以下であった。また、腰のモーメント(図3)は下向き作業と30度勾配の右向き作業が「ふつう作業」に、残りは「軽い作業」に分類された。作業方向としては下向きで最も大きく、上向きで小さくなった。鉈と鋸による枝打ち作業中の腰にかかる力は、鉈打ちが1.7KN、鋸挽きが2.2KNであり、腰のモーメントは鉈打ちが69Nmで「やや重い」作業、鋸挽きが95Nmで「重い作業」と評価された(図4)。玉切り造材作業中の腰にかかる力は腰高の立位姿勢(1.8kN)、膝下高の膝つき姿勢(2.3kN)、膝下高の前屈姿勢(2.7kN)の順に大きくなったが、いずれも作業限界以下であった。腰のモーメントは膝下高が「重い作業」に、腰高の立位姿勢が「ふつう作業」に分類された。作業面高としては腰高が望ましいことになるが、造材現場では膝下高の作業が多く見受けられるので、その場合は腰部負担のより少ない片膝つき姿勢が勧められる。
以上のように、代表的な林業作業中の作業者の腰にかかる力は、椎間板ヘルニアなどの傷害が起きる危険性が総体的に少ないものと評価された。しかし、このような力でも長時間継続して腰に加えられると、腰に疲労が蓄積され、腰痛の原因になる恐れが考えられるので、今後の研究課題として取り組んでいく。
図表1 212400-1.gif
図表2 212400-2.gif
図表3 212400-3.gif
図表4 212400-4.gif
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図表6 212400-6.png
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