| タイトル | 樹木中のリグニン・炭水化物間化学結合の解明 -樹木化学成分の有効利用を進めるためのキーポイント- |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
池田 努 杉元 倫子 田中 良平 真柄 謙吾 加藤 厚 細谷 修二 |
| 発行年度 | 2003 |
| 要約 | オゾン処理・酸処理を用い、リグニン・炭水化物間化学結合を切断することなく樹木から単離することを試みた結果、従来証明されていなかったリグニンとヘキソース(グルコース・マンノース・ガラクトース)間に化学結合が存在することが明らかにされた。 |
| 背景・ねらい | 樹木は数多くの化学成分から成り立っていますが、この中の「セルロース」「ヘミセルロース」「リグニン」(図1)は主要化学成分と呼ばれ、樹木の幹部分では全成分の約95%を占めています。「リグニンとセルロース間」「リグニンとヘミセルロース間」には化学結合(両方をまとめて、リグニン・炭水化物間化学結合と呼びます)が存在すると推定され、これまでこの化学結合を明らかにするための様々な分析が試みられてきました。しかしセルロース、ヘミセルロース、リグニンは、いずれも高分子であるために分析が難しく、さらに従来の手法では、分析の過程でリグニン・炭水化物間化学結合が切断されてしまうために、これまで明確な結論を出すことができませんでした。 本研究では、「リグニンをオゾン、セルロース・ヘミセルロースを酸」で部分的に分解する新たな手法を用い、リグニン・炭水化物間化学結合の解明を試みました。 |
| 成果の内容・特徴 | 新たな分析手法の有効性この手法がどの程度有効であるかを確かめるために、想定されるリグニン・炭水化物間化学結合を有するモデル化合物を合成し、このモデル化合物に本法を適用しました。この結果、本法がリグニン・炭水化物間化学結合を分析するために極めて有効な手法であることが明らかになりました。次に、スギ材を用いた分析を行い、リグニン・炭水化物間化学結合を含む生成物を得ることができました。リグニン・炭水化物間化学結合の結合様式は、次の3要素「リグニンの型・炭水化物の種類・結合の位置」により決定されます。今回、リグニンの型は針葉樹β-O-4型、炭水化物の種類はヘキソース(グルコース・マンノース・ガラクトース)、結合の位置はベンジル位、であるリグニン炭水化物間化学結合が存在することが明らかになりました。 新たな成分利用法への期待樹木に含まれる化学成分を利用する場合、現在では、リグニンをランダムに分解しながら少しずつ取り除く方法が用いられ、最後にセルロースと分解されたリグニンが回収されます(図3)。現在の方法は、工程が複雑であるために時間とコストがかかるだけでなく、ヘミセルロースの大部分が分解され失われてしまいます。リグニン・炭水化物間化学結合に関する研究がさらに進み、リグニンとセルロース・ヘミセルロースの結合部分を選択的に切断した後、それぞれの化学成分を分離できる方法が開発されれば、より簡単に低コストで樹木化学成分を得られるようになり、さらに現在ほとんど利用されていないヘミセルロースの利用を行うことも可能になります。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| カテゴリ | コスト 低コスト |
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