| タイトル | 天然更新を阻害する暗色雪腐病の発生生態と防除 |
|---|---|
| 担当機関 | 森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
坂本 泰明 佐々木 克彦 山口 岳広 |
| 発行年度 | 1995 |
| 背景・ねらい | 北海道での針葉樹の天然更新阻害、すなわち落下種子の発芽阻害や、稚苗の発生消長に関して、病害の面からアプロ-チし、特に更新阻害の主因とされている暗色雪腐病との因果関係を明らかにするとともに、有効な被害回避法を検討した。 |
| 成果の内容・特徴 | 主にトドマツ種子・稚苗を供試し、天然更新阻害要因となっている暗色雪腐病(病原菌:Racodium terryanum=以下R菌と記す)について、分離・培養、接種及び菌害を軽減する実験を行なった。R菌は主にA0層に存在し、未熟な粗粒火山灰やコケ植生のところには認められなかった。つまりR菌は有機物に依存しながら生活しており、その生息場所は土壌のごく浅いところに限定されていた。凍結させた培地と、過冷却による不凍結培地でR菌の生育を比較したところ、凍結培地上では不凍結培地上に比べ、生育量が半分以下であった(表1)。土壌を凍結させた場合と、凍結させない場合とで種子の健全胚率を比較したところ、不凍結区では播種後80日以降、急速に健全胚率は低下したが、凍結区では凍結が続く限り、当初の健全杯率を維持した(図1)。従って、R菌が種子を侵す場合、積雪下の土壌が凍結状態にあるか否かで、差異のあることが確認された。接種試験により、R菌の種子への侵入及び発芽阻害は、かなり早い時期に始まることが判明した(表2)。各地から採集したR菌の分離菌株の、種子に対する病原性の比較を行なったところ、菌株間でかなり病原性の違いのあることが判明し、地域における更新の良否には、菌株間の病原性の違いも関与していることが分かった(表3)。苗畑においては、根雪直前のTMTD剤散布に高い防除効果があった。凍上防止を目的としたもみがらや切りわら被覆は、本病の発生を著しく助長したが、切りわら上を鹿沼土で被覆、苗と有機質との接触を防いだ場合には、被害を軽減する効果があった。 以上の結果から、更新不良な林分での菌害を回避したトドマツ稚苗の更新促進法として、A0層除去・掻起し等によって、R菌の密度を下げるとともに林床の凍結を促進する、あるいはTMTD剤を粉衣したタネ(種子重量の1~3%)を播種する、などの方法が有効と考えられた。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| 図表7 | ![]() |
| 図表8 | ![]() |
| カテゴリ | 病害虫 播種 防除 |
| 農村の男女共同参画とポジティブアクションの評価と課題 |
| スギ材の放射性セシウム濃度を葉から推定する |
| 東南アジアの森林火災早期発見と危険度評価システムの開発 |