糸状菌及び天敵昆虫によるマツノマダラカミキリ防除法の開発・天敵微生物の利用法の確立

タイトル 糸状菌及び天敵昆虫によるマツノマダラカミキリ防除法の開発・天敵微生物の利用法の確立
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 槙原 寛
北島 博
島津 光明
佐藤 大樹
発行年度 1996
背景・ねらい わが国の松くい虫によるマツの枯損被害は昭和54年度をピークとして、平成7年度にはピーク時の約42%まで、減少した。しかし、被害の発生地域は北海道、青森県を除いた全国各地に、また、マツノマダラカミキリの生息地域は南は宮古島、北は青森県岩崎町まで拡大した。このような松くい虫被害を鎮静化させるために、より細かい防除技術の開発をはかる必要がある。これまで、マツノマダラカミキリに寄生する天敵微生物に関する研究は森林総合研究所が主体となって、これまでに病原微生物の検索、培養、病原性の確認がなされ、多くの成果が蓄積されてきた。このような成果をもとにしてマツ樹皮下に生息するマツノマダラカミキリ幼虫に天敵微生物を感染、発病させ、これにより松くい虫被害の軽減を図ることを目的とする。
成果の内容・特徴 天敵微生物Beauveria bassiana(以下ボーベリア)菌をキイロコキクイムシ(以下キクイムシ)を利用してマツ樹皮下に生息するマツノマダラカミキリ(以下カミキリ)幼虫に感染死亡させるマツ枯損防止実証調査・試験を1994~1996年に千葉県富津市海岸クロマツ約40年生林(12000本/ha)で行った。ボーベリア菌自動付与装置設置区は面積約1.5ha、コントロール区もほぼ同様である(図1)。

  1. キクイムシの現地での大量増殖:増殖結果はボーベリア菌自動付与装置からの脱出数から算定した。脱出数は1994年の約16万頭、1995年の15万頭、1996年の約17万頭とほぼ同数で、大量増殖は成功したといってよい。
  2. カミキリ幼虫のボーベリア菌感染数・率調査:カミキリ幼虫の死亡はほとんどがボーベリア菌によるものであった。自動付与装置設置林分ではボーベリア菌による死亡率が1994年は25.6%、1995年が35.7%、1996年66.1%であった。コントロール林分では1994年が1.2%、1995年は5.6%、1996年20.9%であり、両区におけるカミキリ幼虫のボーベリア菌感染数・率は共に年々、高くなっている(表1、2)。
  3. 他の昆虫への影響調査:1996年のみ実行した。付与装置設置区内ではサビカミキリの死亡率が非常に高く、次いでシラホシゾウムシ類、キタコマユバチ、キクイムシの順でヒゲナガモモブトカミキリは低かった。コントロール区内はいずれもかなり低い死亡率であった(表3、4)が、傾向的にはほぼ同じであった。
  4. 枯損本数の推移:付与装置設置区では年々枯損本数が減少傾向にあり、特に付与装置に囲まれた地域ではこの傾向が強い。そして、枯損木が認められる場所は試験地外のクロマツ林分に隣接した所である(図1)。コントロール区では1994、1995年とやや減る傾向にあり、特に本年は前年の半分以下に減少した(表5)。
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カテゴリ 病害虫 防除

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