| タイトル |
木材及び木質材料の炭化機構の解明 |
| 担当機関 |
森林総合研究所 |
| 研究期間 |
|
| 研究担当者 |
原田 寿郎
|
| 発行年度 |
1996 |
| 背景・ねらい |
木材の炭化速度は燃焼性を評価する上で、また、耐火性材料を設計する上での重要な因子であるが、木材では、一律に取り扱われることが多く、樹種、まさ目、板目、木口面といった被加熱面の種類、難燃薬剤処理が炭化速度に及ぼす影響についてはいまだ検討されていない。木材の燃焼性に関する科学的データを得るとともに、燃焼性の差異が発現する機構を解明することは、木材を火災安全性の面から正しく評価し、適切に利用する上で極めて重要であると考えられる。本研究では、木材の有する諸性質や難燃化処理が、着火性、炭化速度並びに燃焼発熱性に及ぼす影響について検討を行った。
|
| 成果の内容・特徴 |
ISO 5660に規定されるコーンカロリーメーターを用いた燃焼試験結果から以下の知見を得た。
- 樹種が同じであれば、被加熱面が木口面であるときの着火時間は、まさ目面または板目面が被加熱面である場合に比べて1.6~1.7倍程度遅れること、被加熱面が同じであれば、密度の大きい木材ほど着火が遅れることが観察された。木材の熱伝導率kは密度ρの1次式で回帰でき、繊維平行方向の熱伝導率は繊維直角方向に比べて2倍程度大きいとする既往の研究結果を基に、熱伝導率k、密度ρ及び比熱cの積で表わされる熱慣性を求めると、着火時間との間に直線関係が得られ(図1)、木材の着火時間は、樹種及び被加熱面が異なっても、熱慣性に支配されることを明らかにした。
- 燃焼試験中の重量減少量を密度及び被加熱面積で除した値と炭化深さの間に高い相関がみられ、重量減少量から木材の炭化深さ並びに炭化速度が予測できることを明らかにした。
- 重量減少速度は、木口面加熱では密度との間に比例関係がみられた。しかし、まさ目または板目面加熱では、広葉樹の場合、密度だけでなく道管の割合も影響し、道管の割合が高い樹種ほど重量減少速度が大きくなった。道管径をμとし、ρ′=ρ/(1-μ)より計算される補正密度ρ′と重量減少速度との間では直線関係が得られた(図2)。こうした現象は、燃焼時の割れの発生とともに、道管の内腔径が他の組織に比べて大きいことが繊維直角方向への熱伝達を早めることによることを明らかにした。
- 材料の防・耐火性を評価する上で重要とみなされる、着火後300秒間の平均発熱速度q"300及び裏面温度が260℃に達する時間t260℃を木材の密度ρ、補正密度ρ'、試験体の厚さL及び樹種固有の有効燃焼発熱量Δhcから簡易に予測する実験式を提案した(図3、4)。
- 難燃薬剤の含有量と発熱速度、発煙量及び燃え抜け時間の間に直線関係が得られたことから、薬剤含有量から材料の燃焼性を予測することが可能であることを明らかにした。
|
| 図表1 |
 |
| 図表2 |
 |
| 図表3 |
 |
| 図表4 |
 |
| カテゴリ |
薬剤
|