スギノアカネトラカミキリの習性ととびくされの実態

タイトル スギノアカネトラカミキリの習性ととびくされの実態
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 槙原 寛
五十嵐 豊
大谷 英児
衣浦 晴生
発行年度 1996
背景・ねらい スギ・ヒバの樹幹内に飛び飛びに発生する腐朽は、古くからとびくされとして知られる。とびくされは、主に枯枝で孵化したスギノアカネトラカミキリの幼虫が幹に穿入し、その食害部に変色菌、腐朽菌が侵入して発生するが、著しく材質を劣化させるため大きな問題になっている。そこで、本研究では被害予防対策の指針を得るため、スギ・ヒバにおける被害実態とスギノアカネトラカミキリ成虫及び幼虫の習性を調査した。
成果の内容・特徴 1990年5月に岩手県滝沢村でスギ造林木について、8月に同県川井村でヒバ天然木について、土場に積まれた丸太の被害を調査した。スギの被害丸太率は49%で、直径の細いもので多く、30cm以上では皆無であった(図1)。ヒバの被害丸太率は22.3%で、直径14cm以下の細いもの以外はほぼ同程度に見られた(図2)。ヒバについての被害実態調査はこれが初めてである。
1981年から1991年まで、東北支所構内の網室の被害材からの成虫の脱出時期と気温の関係を調査した(図3)。脱出初日は5月上旬、脱出最終日は6月上旬が多く、ピークは5月上旬から下旬であった。盛岡では4月下旬から気温が上昇するが、平均気温13℃以上の日が続くと脱出が始まった。脱出が始まっても、13℃以下の日には脱出が見られないことが多かった。和歌山、小田原と比較して、若干低い気温でも脱出するようであった。
1984年から1992年まで、東北支所構内で孵化幼虫をスギ幼齢木の輪切り丸太などに接種し室内飼育を行い、発育経過を調査した(図4)。接種木はその年の秋、または翌年の春に割材し、生存した幼虫の体重を測定し、新しい丸太に再接種した。一部の接種木はそのまま放置した。その結果、放置したものでは長期間幼虫のままで経過したが、再接種すると、翌年、翌翌年に脱出するものが多かった。最も早い脱出は接種後3年目であったが、8年目でも幼虫のまま経過しているものもあった。再接種の間に体重を減少させる個体が多かったが、これは室内に放置した接種丸太が乾燥するためと思われた。羽化・脱出した個体や、再接種後の生存幼虫のほとんどが形成層を摂食しており、材内を摂食していた個体の多くは死亡した。
これらのことから、間伐木の場合、加害を受けていると長期に渡り成虫の発生源になる恐れがあるので、林内に放置しないことが望ましい。
図表1 212434-1.gif
図表2 212434-2.gif
図表3 212434-3.gif
図表4 212434-4.gif
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カテゴリ 乾燥

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