| タイトル | 森林ランドスケープにおける希少生物保護のためのリスク・アセスメントに関する研究 |
|---|---|
| 担当機関 | 森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
杉村 乾 山田 文雄 |
| 発行年度 | 1997 |
| 背景・ねらい | 南西諸島においては森林伐採や林道開設等によって、高齢級天然林の比較的一様なランドスケープが多様なモザイク状の構造へと近年急速に変化してきた。これは、多くの固有種の生存に大きな影響を与える可能性があるが、そのアセスメントに際しては、既存の野外調査データが限られているうえ、生息環境の自然的変動は予測不能でもある。従って、種の絶滅のリスクは、限られたデータを最大限有効に使った確率モデルを用いるのが実際的である。本研究では代表種アマミノクロウサギを対象に、地域個体群を複合させたモデルを用いて絶滅のリスク及び関連する要因の重要性を評価した。 |
| 成果の内容・特徴 | 過去20年の時系列的変化を解析したうえでランドスケープの変化を予測した。過去の変遷を見ると、戦後皆伐方式に代わったのを契機に、若齢天然林が急速に拡大した。択伐林を壮齢林、その他二次林を若齢林とすると、壮齢林は1990年時点で面積49km2(7.1%)と推定された。このまま短伐期施業が続くと、保護区に指定されている389haに近づく形で壮齢林が減少するが、現在一部地域で行われている長伐期施業域を拡大すれば増加する。 全生息域を261区域に分け、糞密度、一日当たり脱糞数等についての調査結果をもとに生息密度及び生息数を区域ごとに推定した(図1。これら小区域を34にまとめ、壮齢林率(M)、隣接区域の密度(N:頭数/km2)、集落からの人口距離(P:千人/距離km)、道路密度(R:距離km×道幅m/面積km2)と区域内生息密度(D)との関係を重回帰分析した結果、lnD=0.27lnM+0.26lnN -0.28lnP-0.30lnR+ln2.6となった。相関が高いのはMとNであり、後者は個体群間の移動の重要性を示している。Pとの相関は集落近くに多いイヌ・ネコ等の捕食者、Rとの相関は個体群間の分断や捕食者との遭遇の影響を表すと考えられる。さらに、34区域を10の地域個体群にまとめ、現状維持、短伐期施業の推進、長伐期への移行の三つのシナリオを重回帰式に当てはめ、一定環境下において生息可能な個体数密度(環境収容力)の変化を区域毎に予測した(表1)。 三つのシナリオのもとでの環境収容力の変化と個体群間の移動を組み合わせるとともに、大災害と捕食動物の影響を2段階に設定し、シミュレーション・ソフト(RAMAS)を用いて100年間にわたる絶滅確率を計算した。その結果、現状維持の場合、孤立した小個体群(図2)の絶滅確率が100%近かった以外は絶滅確率がゼロに近かった。短伐期ではすべての場合において30%以上となり、特に大災害と移入動物の影響が大きい場合には50%を越えた。長伐期ではすべてのケースにおいて絶滅確率はゼロであった(表2)。 なお、本研究は科学技術庁科学技術振興調整費重点基礎研究「森林ランドスケープにおける希少生物保護のためのリスク・アセスメントに関するシミュレーション研究」による。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| 図表7 | ![]() |
| 図表8 | ![]() |
| カテゴリ |
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