新植地におけるニホンジカ被害を予測するハザードマップ作り

タイトル 新植地におけるニホンジカ被害を予測するハザードマップ作り
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 近藤 洋史
池田 浩一
小泉 透
村上 拓彦
吉田茂二郎
発行年度 2004
要約 ニホンジカによる森林被害は深刻な状況が続いています。そこで、ニホンジカによる新植地被害の発生を予測し未然に防ぐことを目的としてハザードマップを作成しました。
背景・ねらい 哺乳類による森林への被害は、依然として深刻な状況が続いています。中でも、ニホンジカによる枝葉や樹皮の食害やはく皮等は、哺乳類による被害面積の約50%を占めており、早急な対策が求められています。しかし、被害地における森林を修復するにはたいへんな労力がかかります。そこで、被害の発生を予測し未然に防ぐことを目的として、新植地被害の発生を予測したハザードマップを作成しました。
成果の内容・特徴

被害発生の実態解析

新植地の被害発生状況を調査し、被害発生地の立地特性を分析し、その特徴にもとづいて被害発生を予測しました。まず、被害発生地の立地特性を分析するため、50×50m区画を単位としてさまざまな要因のデータベースをつくりました。この地域では多くの場所でニホンジカの生息密度が調べられていましたが、調査地点は不規則に配置されていたためにそのままでは要因分析に用いることができませんでした。そこで、地理情報システム(GIS)の手法を用いて連続した生息密度分布図を作成しました(図1)。これは、ポテンシャルマップと呼ばれ、これを作成することによりどこでニホンジカの生息密度が高いかをビジュアルに把握することも可能になりました。

被害発生要因は

要因分析の結果、この地域ではニホンジカの生息密度と標高が被害発生に関係していることが分かりました。図2には林齢5年以下のスギもしくはヒノキ人工林における被害発生率と標高との関係を示しました。この地域では、標高が高くなると被害発生率も高くなる傾向が見られました。特に、標高250m以上の被害箇所は全被害箇所の約90%を超えていました。

ハザードマップへ

これらの結果をもとに、ニホンジカ被害の発生危険度を推定し地図の上に示しました(図3)。これにより、苗木を植える前にその場所のニホンジカ被害の発生確率を予測することが可能になりました。被害の起きてしまった森林を再生するためには大変な労力がかかります。ニホンジカの生息する地域では、こうしたハザードマップを参考にしながらより慎重な造林を進めることが必要になっています。

本研究は運営交付金「森林の適正管理にかかわる野生動物のアダプティブマネージメントの適用」による成果です。

詳しくは:Kondoh,H., Ikeda,K.,Koizumi,T., Murakami,T., and Yoshida, S. (2005) Japan Society of Forest Planning Press をご覧ください。
図表1 212615-1.gif
カテゴリ くり データベース

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