-スギの高速乾燥-(2)高温乾燥の仕方によってスギ材の強度と耐久性はどう変わるか?

タイトル -スギの高速乾燥-(2)高温乾燥の仕方によってスギ材の強度と耐久性はどう変わるか?
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 加藤 英雄
井道 裕史
長尾 博文
桃原 郁夫
大村和香子
発行年度 2004
要約 異なる条件で乾燥したスギ構造材の強度および耐久性の比較試験の結果、乾燥条件によっては強度および耐久性が低下することが明らかになりました。
背景・ねらい 乾燥していない木材を使って短期間に住宅を建てたとき、きしみが起きたり、壁に亀裂が入ったり、ドアの開け閉めに不具合が生じたりします。そのため、寸法の変化が少ないなど、品質が優れた建築用部材が求められています。これに対応する方法の一つとして高温乾燥があります。この特徴として、乾燥時間が短縮できるというメリットが挙げられますが、内部割れが多い、強度や耐久性が低下するなどの懸念もあります。そこで、3つの乾燥条件【中温乾燥1条件(85~95℃、90℃と略す)、高温乾燥2条件(120℃一定、135℃一定)】を設定し、含水率が12%になるまで乾燥させたスギ構造材の強度および耐久性を比較試験しました。
成果の内容・特徴

乾燥材の強さを計ってみると

住宅の梁などの強さの指標となる曲げ強さは、90℃乾燥と120℃乾燥でほとんど違いがありませんでしたが、135℃乾燥が他よりも明らかに低下しました(図1)。一方、柱などの強さの指標となる縦圧縮強さは、曲げ強さとは異なり乾燥温度が高いほど低くなる傾向でした(図2)。縦圧縮強さとは力がかかる向きが逆の縦引張り強さは、曲げ試験と似た傾向でした(図3)。せん断強さを求めるには、曲げ式といす式がありますが、いずれの方法も135℃乾燥におけるせん断強さが他よりも低いことが明らかになりました(図4、図5)。

乾燥温度で強さもちがう

このように、強度に対する乾燥条件の影響は力のかかり方によって異なりますが、135℃で乾燥した場合には概して強度の低いことが明らかです。また、内部割れの最大長さが長くなるに従っていす式のせん断強さが低下することから、乾燥条件のほかにも内部割れが影響することも分かりました(図6)。
シロアリに対する強さの指標となる耐蟻性は、心材では乾燥条件の影響がほとんど認められませんでしたが(図7)、腐朽菌に対する強さの指標となる耐朽性は、乾燥温度が高くなるに従って少しずつ低下し辺材に近くなる傾向でした(図8)。
このように、スギ材の乾燥時間が短くなったとしても乾燥温度が高ければ、条件によっては強度と耐久性が低下することが明らかになりました。

本研究は、交付金プロジェクト「スギ材の革新的高速乾燥システムの開発」による成果です。

*パーセンタイル;パーセンタイルとは、測定値の分布(ばらつき)を小さい方から並べてパーセントで見た数字で、例えば、5パーセンタイル値は、100の測定値の中で低い方から5番目以内の測定値のことです。
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カテゴリ 乾燥

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