| タイトル | 「ピンチくん」ゲーム感覚で学ぶ外来種の脅威 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
山田 文雄 草刈 秀紀 五箇 公一 |
| 発行年度 | 2006 |
| 要約 | 外来種対策をいっそう進め、新たな外来種を生まないために、住民の意識調査を行い、教材としてトランプ型ゲーム「ピンチくん」を開発しました。これを用いたモデル授業で、生徒の意識がはるかに向上することを明らかにしました。 |
| 背景・ねらい | 南西諸島は、アマミノクロウサギやヤンバルクイナに代表されるように、生物多様性の保全上、重要な地域の一つです。近年、マングースなどの外来種が在来の動物に深刻な影響を与えているため、防除事業が進められています。さらに防除がすすむように、また新たな外来種を生まないために、地域住民の理解が必要です。そこで、外来種に関する住民の意識調査や、新たに作成した教材を用いたモデル授業を行い、その効果を調べました。 |
| 成果の内容・特徴 | アンケート調査住民の意識調査は、奄美大島と沖縄本島で、一般住民、市町村職員、教職員、および生徒を対象としました。調査結果の回収数はそれぞれ約1万人(配布数の半数)でした。外来種が、その地域にしかいない固有種を絶滅させていると認識する人は、両島とも極めて多く(80%以上)、外来種が島からいなくなってほしい人も多く(50-70%)をしめました。 また、毒蛇ハブの天敵としてマングースは役立たないと、多くの人が認識し、防除事業の目的をよく理解していました。また、対策や普及啓発は、国や自治体などが十分な予算をかけて行ってほしいと期待されていることがわかりました。 一方、学校などで使える、外来種に関する教材がほとんどないことがわかりました。 「ピンチくん」をつくる教材開発では、(1)誰でも手軽に遊べて学習できる、(2)在来種と外来種の関係が理解できる、(3)さまざまな遊び方ができることなどを考え、在来種が外来種によって脅威を受け、ピンチな状況にあることを訴えるため「ピンチくん」と命名し、トランプ型の教材をつくりました(図1)。カードは、外来種26枚(黒色)と、在来種26枚(絶滅のおそれのあるレッドリストをイメージして赤色)からなります。外来種では、南西諸島で特に問題になっている13種、在来種では、絶滅のおそれの高い13種などを取上げました。カードには、生物の特徴、影響、侵入年代、レッドリストのランクなどをわかりやすく示しています。 モデル授業と効果南西諸島の高校2校におけるモデル授業では、「ピンチくん」を使ったゲームの前後にアンケート調査を実施しました(図2)。「ピンチくん」はきわめて好評で、ゲーム後に認識がはるかに向上することが明らかになりました(図3)。8割以上の生徒が、外来種問題への意識が高まったと回答しました。これらのことから、適切な教材と授業を行うことによって、学校において、外来種問題の意識が向上することが明らかになりました。 今後は、これらを参考に、教材や活動などが開発され、外来種問題の正しい理解がはかられることが期待されます。 本研究は環境省地球環境研究総合推進費「侵入種生態リスクの評価方法と対策に関する研究(代表、国立環境研究所・五箇公一、16-18年度)」による成果です。 詳しくは次のサイトを参照して下さい。 http://www.wwf.or.jp/activity/wildlife/news/2006/20061129.htm |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | 病害虫 くり 防除 |
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