| タイトル | 日本の森林土壌は欧米よりも地球温暖化緩和機能が高い |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
森下 智陽 石塚 成宏 阪田 匡司 高橋 正通 金子 真司 |
| 発行年度 | 2008 |
| 要約 | 大学や公立試験研究機関と連携して、全国の代表的な森林土壌で温室効果ガスであるメタンと亜酸化窒素を通年観測し、日本の森林土壌が欧米と比べてメタンの吸収量は2倍程度大きく、亜酸化窒素の放出量は半分以下であることを明らかにしました。 |
| 背景・ねらい | メタン(CH4)と亜酸化窒素(N2O)は、二酸化炭素(CO2)についで地球温暖化に影響をおよぼす温室効果ガスです。したがって温暖化を予測したり、温室効果ガス排出量を削減したりするためには、これらCO2以外のガスについても、吸収・放出量を明らかにすることが重要です。 欧米を中心とした海外の研究から、森林土壌は微生物の働きによってCH4を吸収し、N2Oを放出することが明らかにされています。しかし、日本における測定例は少なくその実態が不明でした。そこで本研究では、わが国の代表的な森林を選び土壌におけるCH4吸収量とN2O 放出量を現地で測定しました。 |
| 成果の内容・特徴 | メタンを吸収し、亜酸化窒素を放出する日本の森林土壌本研究は、全国に拡がる森林・林業関係の研究機関、大学との共同観測ネットワークを作り、26地点で観測を実施しました(図1)。CH4吸収速度は、黒色土で大きい特徴を示しました(図2)。黒色土はおもに火山灰から生成した土壌で、通気性が良いことが知られており大気中のCH4が土壌中へ流れ込みやすいことが原因と考えられます。 一方、N2O放出速度はスギ林土壌で大きい特徴を示しました(図3)。一般に、スギは斜面下部の比較的湿性な環境に植えられています。湿性な土壌は、N2Oを生成する微生物にとって活動しやすい環境です。そのためスギ林土壌でN2O放出量が大きかったものと考えられます。 高い地球温暖化緩和機能をもつ日本の森林土壌わが国における植生や土壌毎の分布面積から、森林土壌全体のCH4吸収量、N2O放出量を見積もったところ、炭素換算で、CH4吸収量は94万炭素トン、N2O放出量は44万炭素トンとなり、差引で50万炭素トンの吸収と見積もられました。これは京都議定書におけるわが国のCO2削減目標量の中で、森林における吸収量1300万炭素トンの約4%に相当します。現在の議定書のルールでは、CH4 吸収量、N2O放出量を削減量として利用できませんが、日本の森林土壌は欧米などの今までの報告とくらべて、単位面積あたりのCH4吸収量が大きい傾向が明らかになり(表1)、高い地球温暖化緩和機能を持つことがわかりました。 CH4吸収 、N2O放出に関する研究は現在も継続中であり、間伐や皆伐など森林施業がこれらの温室効果ガスの吸収や放出におよぼす影響に着目して研究を進めています。 本研究は、農林水産省先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「森林・林業・木材産業分野における温暖化防止機能の計測・評価手法の開発」および農林水産省委託プロジェクト「地球温暖化が農林水産業に及ぼす影響の評価と高度対策技術の開発」による成果です。 詳しくは、Morishita T. et al.(2007)Soil Science and Plant Nutrition 53 (5): 678-691 をご覧ください。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| カテゴリ |
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