芳香性ツバキ育種素材として有望なヒメサザンカ系統

タイトル 芳香性ツバキ育種素材として有望なヒメサザンカ系統
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究期間 2004~2006
研究担当者 柴田道夫
大久保直美
谷川奈津
中山真義
鈴木一典(茨城生工研)
発行年度 2006
要約 ヒメサザンカ系統および、ヒメサザンカを育種親とした芳香性ツバキの芳香に寄与する香気成分は、フェニルアセトアルデヒド、2-フェニルエタノールである。ヒメサザンカ系統36は、香気成分中にこの2成分の含有量が多く、官能的にも芳香の強い系統である。
キーワード ヒメサザンカ、ツバキ、香気成分、芳香性育種素材
背景・ねらい  ツバキ属の中で最も強い芳香を持つヒメサザンカ(Camellia luthuensis)は、芳香性ツバキの育種素材として使われている。花き研究所では、ヒメサザンカ系統1118を用いて芳香性ツバキ‘姫の香’を育成している。ヒメサザンカおよび、ヒメサザンカを育種親とした芳香性ツバキの芳香に寄与する香気成分を特定し、その成分が多く含まれる系統を芳香性育種素材の有望系統として選定する。
成果の内容・特徴
  1. ヒメサザンカの花の主要発散成分は、安息香酸メチル(ドライフルーティ様香気)、フェニルアセトアルデヒド(ヒヤシンス様香気)、2-フェニルエタノール(バラ様香気)、ベンズアルデヒド(甘いアーモンド様香気)であり、系統ごとに組成比は異なる(図1)。
  2. ヒメサザンカを育種親とした芳香性ツバキの花の香気成分は、ヒメサザンカと同じ芳香族化合物であり、品種ごとに組成比は異なる(図1)。
  3. ヒメサザンカおよび芳香性ツバキ品種の芳香に寄与している成分は、標品の香りに基づくと、花様の香気を有するフェニルアセトアルデヒド、2-フェニルエタノールである。
  4. 系統36は、総香気成分量およびフェニルアセトアルデヒドと2-フェニルエタノールの量と割合が多く、ヒメサザンカ14系統中最も芳香の強い系統である(図2)。
  5. 以上のことから、系統36は芳香性育種素材として有望である。
成果の活用面・留意点
  1. ヒメサザンカ系統36を芳香性ツバキ育種に用いることにより、芳香の強いツバキ交雑種の育成が期待できる。
  2. 系統36のツバキとの交雑親和性、芳香性の後代への遺伝性を確認する必要がある。
図表1 212828-1.gif
図表2 212828-2.jpg
カテゴリ 育種 ばら ヒヤシンス 品種

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