カキ「太秋」等の条紋発生による糖度上昇

タイトル カキ「太秋」等の条紋発生による糖度上昇
担当機関 果樹試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1996
要約 カキの中には条紋と呼ばれる筋を果皮に生じる品種がある。条紋を生じた部位の糖度は生じていない部位に比べて2~3度高く、条紋の発生しやすい「太秋」等では条紋発生果を高品質果実として評価できる。
背景・ねらい
 カキの中には条紋と呼ばれる筋を果皮に生じる品種がある。「富有」、「平核無」、「次郎」などの品種は条紋を生じないが、新品種「太秋」は条紋を生じやすい。「太秋」は大果である上、非常に食味がすぐれるので、普及が期待されているが、条紋は汚損果と混同され外観の劣る果実と評価される可能性がある。果樹試験場カキ・ブドウ支場育種研究室では、これまでの育種調査の過程で、条紋を発生している果実の糖度が高いことを発見した。そこで、条紋を生じる系統を選抜することは高糖品種を育成する一戦略になる可能性もあることから、条紋発生と果実糖度との関係を検討した。
成果の内容・特徴
  1.  条紋を生じている果実(図1)について、くさび状に切りとった果肉の糖度(可溶性固形物含量)を屈折計で測定すると、果頂部の条紋を生じている部位(条紋部)は生じていない部位(非条紋部)に比べて 2.1~3.0糖度が高い(表1)。条紋の糖度上昇の程度は品種、果実による変動が極めて少なく、条紋が生じるとほぼ確実に糖度が2~3度上昇する。条紋が発生した糖度の高い果実は、果皮が黒くなる一般の汚損果とは、流通上、明確に区別する必要がある。「太秋」のように条紋を発生しやすい品種については、条紋発生果を高品質果実として評価できる。
  2.  条紋を生じている果実においては、条紋部を中心に局部的に糖度が高い(図2)。
成果の活用面・留意点
 著しく大きな条紋は亀裂となって日持ち性に影響することがあるので注意を要する。
図表1 212907-1.gif
図表2 212907-2.gif
図表3 212907-3.gif
カテゴリ 育種 かき 新品種 品種 ぶどう 良食味

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