トリヨード安息香酸 (TIBA) によるカンキツ「清見」の生理落果調節

タイトル トリヨード安息香酸 (TIBA) によるカンキツ「清見」の生理落果調節
担当機関 果樹試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 奥田 均
平林利郎
発行年度 1998
要約 「清見」の落果はトリヨード安息香酸(TIBA)の処理位置により促進・抑制されることが明らかになった。生理落果期にIAA極性移動阻害剤である TIBA を離層より果実側に処理することで落果は促進され、枝側に処理すると抑制される。また、促進される場合には離層中IAA 濃度の顕著な上昇がみられる。
背景・ねらい
カンキツ類では結実の制御が古くからの課題である。着果・落果には植物ホルモンが関与していることが知られており、なかでも
IAA広範な作用が知られている。そこで、生理落果期に離層とその前後の組織(図1)に IAA極性移動阻害剤である TIBA(トリヨード安息香酸)を処理し、各組織の
IAA 濃度と生理落果の関連を検討した。
成果の内容・特徴
  1.  生理落果(一次落果)のピークの前に 10mM TIBA を離層より果実側の果梗部に処理することで落果は促進され、枝に処理することで抑制された(図2)。
  2.  落果を促進する果梗部への TIBA 処理や対照区では離層中 IAA 濃度の顕著な増加がみられた(図3)。
  3.  これらの結果から離層より果実側の果梗部における IAA極性移動抑制が落果を促進すること、並びに離層の IAA 蓄積が落果に関連することが示唆された。
成果の活用面・留意点
  1.  明らかになった2つの現象(TIBA処理位置による落果に対する相反する作用、落果に先行した離層中 IAA 濃度の顕著な増加)は落果機構を解明する上で有用な情報になる。
  2.  機作の異なる他の抗オーキシンについても同様の現象が存在するか確認する必要がある。
図表1 212960-1.gif
図表2 212960-2.gif
図表3 212960-3.gif
カテゴリ その他のかんきつ

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