タイトル |
ウメの自家不和合性遺伝子型の判定 |
担当機関 |
果樹試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
羽山裕子
三宅正則
山口正己
森口卓哉
土師 岳
島田武彦
八重垣英明
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ウメ自家不和合性品種及び実生の自家不和合性遺伝子型を PCR 法で判定し、受粉試験 により確認した。「南高」はS1S7、「白加賀」はS2S6、「鴬宿」はS1S5 などと判定され、同じ自家不和合性遺伝子型と判定された個体間の受粉試験では低い結実率を示した。判定された自家不和合性遺伝子型は受粉樹の選定に利用できる。
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背景・ねらい |
ウメの主要品種は配偶体型自家不和合性を示すものが多く、その栽培には受粉樹を混植している。自家不和合性品種と受粉樹は自家不和合性遺伝子型が異なる必要がある。これまで明らかにされていなかったウメ品種の自家不和合性遺伝子型を PCR 法により判定し、受粉樹の選定に活用する。
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成果の内容・特徴 |
- 自家不和合性品種 11 及び自家不和合性実生 16合計 27 個体から抽出した DNA について Pru-C2 及び Pru-C5 プライマーを用いて PCR を行った結果、各個体2種類、供試個体全体では7種類のサイズの異なる増幅バンドが得られた(図1)。
- 得られた増幅バンドを分子量の小さいものから順にS1 からS7 遺伝子に対応するバンドとして自家不和合性の遺伝子型を判定した。その結果、供試した 27 個体は「南高」がS1S7、「白加賀」がS2S6、「鴬宿」がS1S5、「隠居」がS2S7、「梅郷」がS3 S6など 11自家不和合性遺伝子型に区分された。(表1)。
- 供試した個体間で受粉試験を行ったところ、異なる自家不和合性遺伝子型と判定された個体間では高い結実率を示したが、同じ自家不和合性遺伝子型と判定された個体間では2%未満の低い結実率を示し、PCR 法での判定が受粉樹の選定に有効であることが確認された(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 同じ自家不和合性遺伝子型と判定された品種間では交雑不和合を示すので、「加賀地蔵」の受粉樹としては‘梅郷’は使用できない。
- 「白加賀」、「古城」、「玉英」及び「加賀地蔵」などの雄性不稔性品種は自家不和合性遺伝子型が異なっても受粉樹としては使用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
うめ
受粉
品種
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