タイトル | 実ウメ品種の核重率の差異と梅干し用新品種育成のために適した交雑親 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所 |
研究期間 | 1987~2003 |
研究担当者 |
八重垣英明 山口正己 土師 岳 中村ゆり 三宅正則 西村幸一 京谷英壽 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 実ウメ57品種の果実重、核重及び果実重に占める核重の割合(核重率)を調査したところ、品種による大きな差異が認められた。果実重の約1割を核重が占める傾向にあるが、果実重の割に核重率の低い品種もあり、この品種を交雑に用いることで核重率の低い梅干し用新品種の育成の可能性がある。 |
キーワード | ウメ、果実重、核重、核重率、品種間差異、育種 |
背景・ねらい | 梅干しに加工されるウメ果実は果実に占める核の割合が低いことが求められる。果実に占める核の割合の低い品種の具体的数値目標の設定や、交雑親の選定の基礎資料とするために実ウメ57品種の果実重、核重及び核重率を品種ごとに5~13年間調査した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 実ウメ57品種の果実重と核重は相関係数0.75の高い相関を示し、果実重に比例して核重が大きくなる傾向を示す(図1)。 2. 核重率の平均は9.7%となり果実重の約1割を核重が占めるが、「李梅」の3.7%から「十郎」の14.8%までの品種間差異がある(図2)。 3. 現在、梅干し加工用の主要品種である「南高」は果実重32.8g、核重3.05g、核重 率9.7%である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「南高」と同程度の果実の大きさ(30~35g程度)と、核重率8%未満を、梅干し用新品種の具体的目標とする。 2. 果実重が25~35gで核重率が8%以下の「梅郷」、「剣先」、「紅サシ」、「月知梅」及び「改良内田梅」の5品種は梅干し用新品種育成のための有望な交雑親となると考えられる。 3. 「李梅」の核重率は極めて小さいが、ニホンスモモとウメの雑種であると推定され、梅干し品質が不良であることから交雑親としては不適当である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 育種 うめ 加工 新品種 新品種育成 すもも 品種 |