タイトル | ナシ栽培品種における分子マーカーデータベース作成 |
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担当機関 | ナシ |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 |
山本俊哉 澤村 豊 佐藤義彦 西谷千佳子 平林利郎 木村鉄也(種苗管理セ) 伴 義之(種苗管理セ) |
発行年度 | 2004 |
要約 | ナシ栽培品種について、SSRマーカー遺伝子型と自家不和合性遺伝子型のデータベース化により、品種判別、親子鑑定などのDNA鑑定を高い精度で行うことができる。 |
キーワード | ナシ、SSRマーカー、自家不和合性遺伝子型、データベース、DNA鑑定 |
背景・ねらい | 本研究は、食品の信頼性や日本産の果実を守り、また登録品種の権利を保護するため、果実や果実加工品からの品種同定を行うための基盤技術である分子マーカーデータベースを作成することを目的とする。 ほとんどのナシ栽培品種を対象に、SSRマーカーや自家不和合性遺伝子マーカーを用いて遺伝子型を決定し、さらにSSRマーカーの詳細な情報、品種の来歴や主要形質の特性などをまとめたデータベースを作成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 濃縮ゲノムライブラリー法などの方法によって開発した101種類のSSRマーカーについて、クローンの塩基配列、プライマー配列、反復モチーフ、アニーリング温度、PCR反応条件、ニホンナシ及びセイヨウナシでの対立遺伝子数やヘテロ接合度、連鎖地図上の位置、フラグメント解析での波形データなどのマーカー情報について示している。 2. 主要なニホンナシなど約100品種について、12種類のSSR遺伝子型データ、自家不和合性遺伝子型データ、品種の主要形質の特性(果皮色、果形、収穫期、黒斑病抵抗性、黒星病抵抗性など)、来歴情報(育成世代、交雑/在来品種、原産地、種子親、花粉親など)、植物体及びDNAサンプル保存の項目からなるデータベースである。 3. 12種類のSSRマーカーを用いて主要ニホンナシ約100品種を分析した結果、推定対立遺伝子が87種類得られ、本データベースにより、枝変わり品種(変異体品種)を除くすべての品種の識別に利用可能である(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ナシのゲノム解析、新品種育成、遺伝資源研究などにおいて、活用可能である。 2. ナシ果実・加工品からの品種同定、親子鑑定や品種同定を行う上での基盤データベースであり、育成権者保護、海賊版品種の抑止、食品の信頼性を確保する上で有効な技術である。 3. 本データベースは、当面は果樹研内で利用するが、将来的には外部へ公開する予定である。 4. 本データベースは、市販のデータベースソフトを用いて作成されている。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 遺伝資源 加工 黒星病 新品種育成 データベース 抵抗性 品種 |