タイトル | 硬質小麦のブレンドによる北海道産小麦の製パン利用 |
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担当機関 | 品質制御研究チーム |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
一ノ瀬靖則 桑原達雄 高田兼則 山内宏昭 西尾善太 入来規雄 |
発行年度 | 2001 |
要約 | ホクシンにハルユタカをブレンドすると製粉歩留とファリノグラフの吸水率が、Wildcat(超強力小麦)をブレンドするとパンの生地物性が、それぞれ改善される。また、ハルユタカと北海257号のブレンドで製パン作業性が改善できる。 |
キーワード | 小麦、ブレンド、製パン |
背景・ねらい | 北海道の主要品種である麺用の「ホクシン」は生産過剰気味であり、パン用として需要の高い「ハルユタカ」は度重なる穂発芽被害で供給量が減退するなど、民間流通に移行してもなお需給のミスマッチが続いている。一方で加工業者からは安定した品質の小麦粉の供給が望まれている。そこで、道産小麦の製パンへの利用拡大を図るために、「ホクシン」に「ハルユタカ」または「Wildcat」(カナダ小麦品種)、さらに「ハルユタカ」に「北海257号」をブレンドし加工適性との関係を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 1. 「ホクシン」に硬質春播小麦「ハルユタカ」を25%ブレンドする場合の製粉歩留は、計算上は70.8%であるが、実験値は73~74%に高まる(表1)。 2. 2. 「ホクシン」に「ハルユタカ」を25%ブレンドする場合のファリノグラフ吸水率(小麦粉の吸水量の指標)は、計算上は62.0%であるが、実験値は65~66%に高まり、作業性などの製パン性が向上する(表1)。 3. 「ホクシン」に超強力小麦「Wildcat」を25%ブレンドするとパン生地の物性及び比容積が市販粉並みに向上する(表2)。 4. 「ハルユタカ」と硬質秋播小麦「北海257号」のブレンドでは製粉歩留やファリノグラフの吸水率はほぼ計算値と大差ないが、「べとつく」、「もろい」という両品種の欠点が改善され作業性が向上する(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 道内の製パン業者も含め、実需による北海道産小麦の用途拡大のための基礎情報となる。 2. ミリングスコアなどの製粉特性は加水条件(混合後加水又は個別加水)の違いによって変動するので留意する。 3. ブレンドの効果はブレンド原料の粉質や性状の違いによっておのおの異なると考えられるので事前調査を行い用途に応じたブレンド条件を設定する必要がある。 4. 北海257号は種苗登録中であり、奨励品種決定試験に供試中の系統である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 加工 加工適性 小麦 品種 |