タイトル | 菜豆類の白あんテクスチャー(ねばり)評価手法と品種間差異 |
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担当機関 | 北海道立中央農業試験場 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
加藤 淳 小宮山 誠一 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 調製した生あんを遠心分離機を用いて水分調整し、同量の水と生あんの0.6倍重の上白糖を加え、生あんの1.6倍重まで練り上げて加糖あんを調製する。テクスチャーアナライザー(圧縮・引き上げ試験)で加糖あんの「付着性」を測定する。手亡類の加糖あんの付着性は、「銀手亡」で最も大きく、次いで「姫手亡」、「雪手亡」の順である。 |
キーワード | 菜豆類、加糖あん、ねばり、テクスチャーアナライザー、官能評価 |
背景・ねらい | 加工適性に優れた菜豆類の品種育成に寄与するため、より早い育成段階での品質評価手法の開発が求められている。菜豆類の加工適性上、重要な項目として白あんの「ねばり」が挙げられ、とりわけ上生和菓子等の用途では「ねばり」の強い原料が求められる。加糖あんの調製方法、テクスチャー測定方法および「ねばり」の品種・系統間差異について検討し、菜豆類の白あんテクスチャー(ねばり)評価手法の開発を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. 生あんの脱水・水分調整は、調製した生あんを100mL容円筒管(採土管)に充填し、土壌水分測定用の遠心分離機を用いて2100rpm(TNローター)で60分間遠心分離するのが適当であった。これにより、一定かつ生あんの標準的な水分含量に調整できる。 2. 加糖および練り工程では、生あんに同量の水と生あんの0.6倍重の上白糖を加え、生あんの1.60倍重まで練り上げるのが適当である。これにより市販加糖あんと同等のBrix.、水分含量、物性に調製できる(表1)。 3. テクスチャーアナライザーを用いた加糖あんの「付着性」測定は、ガラス製シャーレに一定量の加糖あんを充填し、圧縮・引き上げ試験によりプローブが試料から剥離する時の負の荷重領域面積(仕事量g・s)を測定するのが適当である(図1)。「付着性」の測定値と官能試験による「ねばり」評価は整合性が高い(表2)。この時、「付着性」の差が少なくとも80g・s以上あれば官能による「ねばり」の差として感知できる。以上の測定手順を図2に取りまとめる。 4. 十勝農試産の手亡類から調製した加糖あんの付着性は、「銀手亡」で最も大きく、次いで「姫手亡」、「雪手亡」の順である(図3)。また、「十育A56号」の付着性は「銀手亡」とほぼ同等である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 少量(原料豆150g)での菜豆類の白あんのねばり評価が可能である。 2. 白あんのねばりを品質指標とした中期世代(F6)以降の育成段階での選抜に活用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 加工適性 品種 |