タイトル | いちご無病苗の省力定植技術 |
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担当機関 | 道南農試 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
中住晴彦 三澤知央 新村昭憲 |
発行年度 | 2005 |
要約 | もみがら採苗法によって得られた無病苗を、仮植や鉢上げをしないで直接本圃に定植する直接定植法を開発した。直接定植法は土壌病害の感染回避効果が大きい上、省力的で収益性にも問題がない。 |
キーワード | イチゴ、定植法、土壌病害、省力化 |
背景・ねらい | いちごの慣行定植法である露地仮植苗定植法は、土壌病原菌の感染回避がほとんど不可能で、省力性にも問題があった。そこで、もみがら採苗法の土壌病害感染回避効果を確認するとともに、もみがら採苗法で得られた無病苗を省力的に定植する新しい定植技術を開発することを目的とした。 |
成果の内容・特徴 | 1.もみがら採苗法によって採苗した苗は全く疫病に感染していないことから(表1)、もみがら採苗法によって疫病の苗への感染を回避でき、個々の生産者の所有する採苗圃で「無病苗」が生産できる。 2.もみがら採苗法によって得られた無病苗を、仮植や鉢上げをしないで直接本圃に定植する直接定植法は、使用する苗が軽くて根が短いため苗の運搬・定植作業の軽作業化が可能で(図1)、採苗圃での作業時間も短く省力的である(表2)。 3.直接定植法は8月上旬から下旬まで定植期に幅があり、定植作業の分散が可能である(図2)。 4.直接定植法は露地仮植苗定植法および鉢上げ苗を定植する鉢上げ苗定植法と比較しても収量性および収益性に差はない(図2,表2)。 5.直接定植法は、疫病等の土壌病原菌の苗への感染を回避でき、省力的で定植期の分散も可能で、収益性にも問題のない定植技術であり、露地仮植苗定植法あるいは鉢上げ苗定植法に代えて普及できる技術である。 |
成果の活用面・留意点 | 1.もみがら採苗法を行うに当たっては、使用する資材、道具類、靴等に土壌病原菌が含まれる恐れのある土砂等が付着しないよう注意する。 2.直接定植法は土壌病害の発生を抑える技術ではないため、本圃に土壌病害の発生が懸念される場合は土壌消毒を行う。 3.直接定植に用いる苗は根長7cmを確保するとともに、高温が予想される定植期に直接定植を行う場合は遮光ネットを使用し、土壌水分確保に努める。 平成17年度 北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 いちご無病苗の省力定植技術(普及推進) |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | いちご 栽培技術 省力化 土壌消毒 |