タイトル | 草地酪農における道産飼料100%の乳牛飼養法 |
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担当機関 | 根釧農試 |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
原悟志 昆野大次 佐藤尚親 出岡謙太郎 西道由紀子 糟谷広高 大坂郁夫 峰崎康裕 林拓 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 牧草サイレージに、道産農業副産物を第一胃内pHの顕著な低下を起こさない割合で混合したTMRにより7,300kgの、また、放牧草に道産農業副産物を併給することにより8,000kgの乳生産が得られる。 |
キーワード | 乳牛、自給飼料、農業副産物 |
背景・ねらい | 地域資源を活用した安全・安心な畜産物生産という観点から、草地酪農において、輸入飼料を使用せず、自給粗飼料と、濃厚飼料として道産農業副産物(ビートパルプ、規格外小麦(以下、小麦と略記)、フスマ、米ヌカ)のみを使用した泌乳牛飼養法を提示する。 |
成果の内容・特徴 | 1.チモシー主体牧草サイレージの混合飼料(TMR)において、輸入飼料であるトウモロコシを使用した場合に比べ小麦を23.2%使用した場合には、第一胃内pHが5.8以下となる時間が長くなる傾向がある。小麦を15.5%使用した場合、あるいは、小麦15.5%+米ヌカ6%の場合は、トウモロコシを使用した場合と同等の第一胃内発酵となる(表1)。 2.チモシー主体牧草サイレージと農業副産物(小麦、フスマ、米ヌカ)を使用したTMRにより、乳成分および繁殖成績を良好に保ち、305日乳量で7,300kgの乳生産が可能である(表2)。このTMR構成では、分娩後150日以降に過肥の傾向がみられたので、分娩後100日以降についてさらに細分化したTMR構成例を表3にまとめてある。 3.チモシー主体草地に昼夜放牧した泌乳牛に農業副産物(小麦、フスマ、ビートパルプ)を併給することにより、乳成分および繁殖成績を良好に保ち、8,000㎏の乳生産が可能である(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.本成果は、道内自給飼料を主体とした乳生産を行う場合に活用できる。 2.現在北海道の泌乳牛用濃厚飼料の量はおよそ150万tである。これに対し、本成果で濃厚飼料として用いた道産農業副産物の賦存量は50万tほどである。また、規格外小麦(7万t)、フスマ(13万t)および米ヌカ(5万t)は、ビートバルプ(24万t)に比べ賦存量は少なく、かつ、飼料用以外の用途にも仕向けられているので、これらの安定確保を図る。 平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「草地酪農における道産飼料100%の乳牛飼養法」(普及推進) |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 小麦 飼料用作物 とうもろこし 乳牛 繁殖性改善 |