タイトル | 舎飼時の搾乳ロボット利用技術と生産技術体系 |
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担当機関 | 経営科 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
堂腰 顕 田澤直樹 小山 毅 高橋雅信 西村和行 原 仁 高橋圭二 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 飼槽の基礎混合飼料(飼料乾物中TDN73%、CP15%)とロボット搾乳施設における濃厚飼料給与と組み合わせて飼養すると、繁殖性の低下もなく11,000kg程度の一乳期乳量となる。乳質には問題は見られなかったが、乳頭清浄化機能は手による清拭に比べて劣っている。肢蹄に問題がある牛のロボット搾乳施設への訪問回数は少ない。搾乳ロボット1台体制の生産技術体系を策定すると、労働時間は4,230時間となる。 |
キーワード | ウシ、乳用牛 |
背景・ねらい | 搾乳ロボットは国内で100戸以上、道内でも50戸以上導入されているが搾乳回数の増加による乳量の増加効果だけでなく、それに伴う飼料給与方法や乳牛の繁殖・乳質への影響など不明な部分が多い。そのため、ロボット搾乳施設の飼料給与方法と乳量、採食量、繁殖性、乳質等に及ぼす影響を明らかにし、これらに基づいた搾乳ロボット導入における生産技術体系を提示する。 |
成果の内容・特徴 | 1.基礎混合飼料(飼槽への給与飼料)を飼料乾物中TDN 73%、CP 15%とし、ロボット搾乳施設で給与する濃厚飼料量を乳量とボディーコンディションスコア(BCS)に基づいて設定し、この飼料で一乳期飼養すると繁殖性にも問題が見られず、1日3~4回の搾乳回数を達成し、初産牛で9,337㎏、2産牛で12,039㎏の乳量を生産する(表1)。 2.2年間にわたるロボット搾乳施設における出荷生乳の生菌数は平均1,300/ml、体細胞数は平均6.7万/mlと良好であるが、ロボット搾乳施設の回転ブラシによる乳頭洗浄では、洗浄後の乳頭先端部の細菌除去効果は手による清拭(プレディップ法)に比べて劣るため、清浄な生乳生産のためには乳房や乳頭の汚れを少なくし、搾乳機器を清潔に保つ必要がある(図1)。 3.搾乳ロボットへの牛の訪問パターンを解析すると、跛行スコア3以上の牛の約半数はリフューズ回数(搾乳ロボットに訪問したが搾乳時間が短すぎて自動的に退出させられた回数)が2回未満であり、跛行など肢蹄の問題が見られる牛のロボット搾乳施設への訪問回数は少ない(表2)ことから、リフューズ回数で蹄の健康状態が予測できる。 4.当場のロボット搾乳における牛群成績と使用実績から、搾乳ロボット1台体制(経産牛57頭、常時搾乳牛48頭、経産牛1頭あたりの1乳期乳量11,340kg)の生産技術体系を策定すると、年間の生乳生産量は554,320kg、比例費用は13,083千円、労働時間は4,230時間となる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.搾乳ロボット導入を検討中の酪農家あるいはその指導機関にとって有用な情報となる。 2.本試験ではレリー社製の搾乳ロボットを使用した。 3.基礎混合飼料の粗飼料はグラスサイレージのみを用いた。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 出荷調整 乳牛 繁殖性改善 ロボット |