タイトル |
たまねぎ極早生品種の内部品質と栽培技術指針 |
担当機関 |
北見農試 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
西田忠志
野田智昭
柳田大介
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発行年度 |
2006 |
要約 |
北海道産のたまねぎ極早生品種は辛みが少なく良食味である。この極早生品種を8月上旬から安定出荷するための育苗法・栽培管理法を提案する。
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キーワード |
たまねぎ、極早生品種、ピルビン酸、栽培技術指針
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背景・ねらい |
北海道産たまねぎは、極早生・早生・中生・晩生の4種類に分類される。現在、極早生品種の栽培面積は全体の5%程度にすぎないが、近年、優れた新品種が育成されていることから、これら極早生品種の内部品質及び栽培法を明らかにし、さらなる面積拡大のための資料とする。
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成果の内容・特徴 |
- 極早生品種のピルビン酸生成量(辛みの強さを表す指標値)は、同じ北海道産の中・晩生品種と比較すると約半分であり、極早生品種は辛みが少なく良食味であるといえる。ピルビン酸生成量は圃場での球肥大期から収穫後の貯蔵期間中にわたり増加しており、辛みは徐々に強くなる(図1)。
- 極早生たまねぎの播種は2月10日~20日の間、移植は4月20日~30日に実施し、移植苗の葉数は3.5枚、葉鞘径は3.5㎜以上を目標とする。
- べたがけ被覆により倒伏期は2日早まり、低地土圃場では10%、高台に位置し気温が低く経過する火山性土圃場では15%増収する。被覆期間は移植後30日までを目安とし、6月以降には除去する(図2)。
- 施肥は全量基肥とし、熱水抽出性N含量が5mg/100g以上の圃場では窒素施肥量は12㎏/10aとする。
- 極早生品種の栽培では、農薬散布回数が10回以下での高品質安定生産が可能である。道産極早生たまねぎが良食味であることに加え、安心・安全な道産野菜としての付加価値をより高めることにつながる(表1)。
- 根切り処理は倒伏揃期から5日目を標準的な処理日とするが、根切り処理を遅らせる場合は生育状況に応じて処理日を判断する。
- 極早生たまねぎは低地土圃場に比べ火山性土圃場での収量性が劣る。さらに、紅色根腐病の発生圃場における極早生品種の減収は著しく、極早生品種の収量性は栽培圃場に大きく影響される(表2)。
- 以上の結果を総括し、たまねぎ極早生品種を8月上旬から安定出荷するための栽培技術指針を提案する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 試験は現地圃場も含めすべて北見地域の平野部で行っている。したがって山麓地帯や沿岸地帯、さらには道央地帯においては、べたがけ被覆による増収効果、病害虫防除の効果等には地域間差が考えられる。
- 本成績中の育苗に関する成果は、すべてみのる式のセル成型育苗法による。
- 試験を実施した3ヶ所の圃場では、栽培期間中のかん水は実施していない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
栽培技術
出荷調整
新品種
施肥
たまねぎ
根腐病
農薬
播種
病害虫防除
品種
良食味
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