近赤外分析による輸入アルファルファ乾草の飼料成分推定

タイトル 近赤外分析による輸入アルファルファ乾草の飼料成分推定
担当機関 道立畜試
研究期間 2006~2007
研究担当者 出口健三郎
中村克己
飯田憲司
発行年度 2007
要約
    輸入アルファルファ乾草の主な分析項目(CP、ADF、ADL、OCW、CPs)についての高精度で安定した検量線を作成するとともに、ADL、NDFについては他の成分から回帰推定をしても十分に高い精度の推定値が得られる。
キーワード
    近赤外分析、輸入アルファルファ乾草、フォレージテスト、飼料成分
背景・ねらい
    フォレージテストでの利用を前提に、アルファルファ輸入乾草を対象として近赤外分析(NIRS)による高精度で安定した飼料成分推定用検量線を作成する。
成果の内容・特徴
  1. 2005年までに収集されたアルファルファ輸入乾草199点のスペクトルデータについて主成分分析を行い、冗長サンプル44点を除いた155点を標準サンプルとして分析したところCPで11.5~24.9%、OCWで34.8~65.5%と大きく変動したことから、フォレージテストによる評価が重要である(データ省略)。
  2. 粗タンパク質(CP)(図1-a)、酸性デタージェント繊維(ADF)、酸性デタージェントリグニン(ADL)、総繊維(OCW)、溶解性タンパク質(CPs)、酸性デタージェント不溶タンパク質(CPb)、中性デタージェント不溶タンパク質(NDICP)についてPLS法により作成した検量線は異なる2つの未知試料群においても精度が高く(PRE1+2でC判定以上)、かつ安定している(Biasの差の絶対値が0.54以下,表1)。
  3. 低消化性繊維(Ob)については実用性の判定はPRE1群と2群を込みにしてB判定であったが、PRE2群でBiasがやや大きい(表1,図1-b)。
  4. 粗脂肪(EE)についてはBiasが小さく安定しているものの、精度が低かった(表1)。ただし、成分の変動幅が2%以下と小さいことがその要因として考えられる(図1-c)。
  5. 非分解性タンパク質(CPu)については、ばらつきが大きく、化学分析値より過小評価される傾向にあり(Bias=-0.87)、安定性に欠ける(表1,図1-d)。
  6. 中性デタージェント繊維(NDF)については今回作成した検量線によるOCW推定値を説明変数とする回帰推定式に当てはめた場合にも実用上高い精度を有している(図2-a)。
  7. ADLについては説明変数にADF×Ob/OCWを用いた高精度の1次回帰式が得られ、この式の説明変数にNIR推定値を用いても精度の低下は認められない(図2-b)。ADLの分析体制が整わないラボ等での利用を想定し、以下の回帰式についても推奨する。
    ADL=0.239×(ADF×Ob÷OCW)+0.338(n=155、r2=0.93)
成果の活用面・留意点
  1. 輸入アルファルファ乾草に対して適用する。
  2. 利用は当面の間、道内の飼料分析センターに限定される。
  3. Obの検量線利用に当たっては年度ごとの定期的な分析値のチェックが必要である。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「近赤外分析による輸入アルファルファ乾草の飼料成分推定」(普及推進)
図表1 213899-1.jpg
図表2 213899-2.jpg
カテゴリ アルファルファ 近赤外分析

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