タイトル |
チンゲンサイの肥培管理・病害虫防除の指針 |
担当機関 |
道立花野技セ |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
橋本直樹
大塚省吾
野津あゆみ
藤倉潤治
小松勉
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発行年度 |
2008 |
要約 |
北海道におけるチンゲンサイの適正な総窒素施用量はハウス・露地栽培とも15kg/10aである。化学合成農薬の使用回数は、生物農薬等を利用して、ハウス栽培では現行基準どおりでよく、露地栽培では殺菌剤が4回、殺虫剤が5回である。
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キーワード |
チンゲンサイ、クリーン農業、窒素施肥、病害虫防除、キスジノミハムシ
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背景・ねらい |
チンゲンサイでのYES!cleanの登録基準はハウス栽培のみ策定されているが、登録産地間で施肥や防除内容が異なるため、窒素(以下、Nとする)施肥管理、病害虫防除を検証し整理する。併せて、露地栽培では、基準を策定する。
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成果の内容・特徴 |
- 現地ハウスのN施肥管理は、前年秋の堆肥施用量が約4t/10a(1作当たりN2kg/10aに相当)、各作型定植時のN施肥量(化学肥料+堆肥以外の有機物由来N)が8~11kg/10aであり、使用基準である総N施用量15kg/10a(N施肥量+堆肥由来N)の範囲内である。総収量の平均は約8t/10a、調製株の規格は概ねL規格以上である。
- 場内ハウスのN増肥による増収効果は、堆肥4t/10a施用の条件で、N施肥量13kg/10a(総N施用量15kg/10a)まで認められる(図1)。総N施用量が12kg/10aでL規格以上の調製株を8割以上得ることができ、基準の範囲内で安定的な生産が行える。
- ハウス栽培における増収効果は総N施用量15kg/10aまで認められるが、Nの増肥と共に調製株の硝酸塩濃度が高まることや(図2)、作物に利用されなかった余剰Nが増えることから、総N施用量の上限は15kg/10aが妥当である。露地栽培についても、ハウス栽培と同程度に余剰Nが増えることから、総N施用量の上限は15kg/10aとする。
- 主要害虫はコナガとキスジノミハムシである。現地での化学合成農薬以外の対策は生物農薬とハウス開口部への防虫ネット設置である。
- 防虫ネットのハウス設置やトンネル栽培は、害虫被害を軽減し殺虫剤使用回数を削減できるが、夏期には、わずかに株重や草丈、葉色への影響が見られる。トンネル栽培は設置労力とコストの問題から、現地実態に応じて導入を検討すべきである。
- 殺虫剤の使用基準は、ハウス栽培では現行基準で対応可能であるが、露地栽培では5~6回要する場合があり(図3)、5回とすることが妥当である。
- キスジノミハムシは、アセタミプリド水溶剤等が防除効果を示す。
- 主要病害は、ハウス栽培では根こぶ病で、圃場によって軟腐病と白さび病も発生し、現地では現行の基準内で対応している。露地栽培 では根こぶ病、軟腐病および白さび病である。
- 白さび病に対してはシアゾファミド水和剤Fが高い防除効果を示す。
- 露地栽 培での使用基準は、防除対象病害がハウス栽培と同じことから、生物農薬等を利用して、ハウス栽培と同じ使用基準が適当である。
- 化学合成農薬の使用基準をまとめて表1に示す。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成績はチンゲンサイの減化学肥料・減化学農薬栽培(YES!clean)を実施する場合に活用する。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「チンゲンサイの肥培管理・病害虫防除の指針」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
害虫
くり
コスト
栽培技術
施肥
チンゲンサイ
農薬
肥培管理
病害虫防除
防除
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