水稲山間高冷地向け新品種「新潟46号」の育成

タイトル 水稲山間高冷地向け新品種「新潟46号」の育成
担当機関 新潟県農業試験場
研究期間 1987~1996
研究担当者 星 豊一
阿部聖一
石崎和彦
重山博信
小林和幸
松井崇晃
田村隆夫
原田 惇
中嶋健一
金山 洋
竹内 睦
阿部徳文
佐々木行雄
近藤 敬
東 聡志
中村恭子
小関幹夫
発行年度 1996
要約 「新潟46号」は、新潟県では極早生の中間型に属する粳種である。耐冷性は強く、登熟も良い。品質は上中、食味は上下である。山間地での収量性も安定している。平成9年から新潟県下の山間高冷地で普及に移す。
キーワード 極早生、粳種、耐冷性、山間高冷地
背景・ねらい 新潟県では、標高400m以上の水田面積が約2,700haあり、県全体の1.6%を占めている。これらの地域では、しばしば障害型ないし遅延型冷害に見舞われており、収量・品質の変動が著しい。本県の山間高冷地向け品種としては、昭和61年に「妙高高原早生」、平成5年に「新潟19号」を、それぞれ種子対策品種に指定し、山間高冷地稲作の安定化を図ってきた。しかし、「新潟19号」は標高500m以上の地域では成熟期が遅く、遅延型冷害に対しての適応性が十分でない。また、「妙高高原早生」は標高700m以上の地域には不可欠の品種であるが、品質食味が劣るため、一部の高標高地での栽培に限られている。これらのことから、良質・良食味で耐冷性が強く、登熟性の優れた極早生品種の開発が求められていた。
成果の内容・特徴
1.育成経過
昭和62年、新潟農試において「庄内32号」(後の「はなの舞」)を母、「新潟19号」を父として人工交配した。平成元年雑種第2代で個体選抜を行い、以後系統育種法により選抜固定を図った。平成4年から生産力検定及び特性検定を行った。
平成7年から「新潟46号」の系統名を付け、奨励品種決定調査及び現地調査に供試し、地域適応性を検討した。平成8年で雑種第9代である。
2.特性概要
草型は中間型で、稈長は「新潟19号」よりやや長い。出穂期、成熟期とも「新潟19号」より4日程度早く、ほぼ「わせじまん」並の極早生の粳種である。
穂発芽性は中程度、倒伏抵抗性は「新潟19号」より弱いやや弱である。耐冷性は「新潟19号」より強く強である。いもち病真性抵抗性遺伝子はPi-iを持つと推定され、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちともに中程度である。
玄米の外観品質は「新潟19号」並の上中、食味は「新潟19号」並の上下であるが、「わせじまん」に近い良食味である。収量性は「新潟19号」より優る(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 新潟県で平成8年度に種子対策品種に指定し、平成9年より「新潟19号」代替品種として、標高500m以上の山間高冷地に普及を図る。普及面積は300haである。
  2. いもち病抵抗性は十分でないので、いもち病の標準防除は必ず実施する。
  3. 倒伏抵抗性がやや弱いので、多肥栽培はしない。
図表1 214092-1.gif
図表2 214092-2.png
カテゴリ 病害虫 育種 いもち病 新品種 水田 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 凍害 品種 防除 良食味

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