タイトル |
水稲の極良食味ハイブリッド系統「新潟交2号」の育成 |
担当機関 |
新潟県農業試験場 |
研究期間 |
1986~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
水稲のハイブリッド系統「新潟交2号」は、新潟県では中生に属する粳種で ある。長稈で倒伏抵抗性はやや弱いが、コシヒカリに匹敵する極良食味である。
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背景・ねらい |
ハイブリッドライスの育成に当たっては、これまで多収性が重視され、各試験研究機関で日印交雑の系統が育成されているが、雑種不稔や長稈性による倒伏及び食味不良等の問題がある。近年、水稲育種の方向は収量性や倒伏抵抗性、病害虫抵抗性といった形質とともに、品質・食味を重視するようになってきている。新潟農試では、良食味の日本稲どうしの組合わせにより、極良食味のハイブリッド新系統を育成し、その生育・収量特性を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- (1)「新潟交2号」の母親はCMS[U]で、父親はRf[S]である。細胞質雄性不稔遺伝子保有系統及び稔性回復遺伝子保有系統は農業研究センターから分譲されたものを用い、それぞれに早生・良食味品種の「U」、中生・良食味品種の「S」を戻し交配して、それぞれの系統を育成した (表1)。
- (2)「新潟交2号」は、「コシヒカリ」より出穂期で5日、成熟期で1週間ほど早い中生の早の粳種である。稈長が長く穂長・穂数は並である。倒伏抵抗性はやや弱で、穂発芽性はやや易である。いもち病圃場抵抗性は葉いもちが中、穂いもちがやや弱である。玄米の外観品質は上下で、食味は「ゆきの精」より明らかに良く、極良食味である。収量性はコシヒカリより50kg/10a以上高い (表2)。
- (3)「新潟交2号」は、両親と比較して長稈(対高水準親比率:106)・多収(同:112)である。
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成果の活用面・留意点 |
- (1)倒伏すると品質・食味を低下させるので、多肥栽培は避ける。
- (2) 試験研究用に限り、平成10年から少量種子の配布が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育種
いもち病
害虫
水稲
多収性
抵抗性
品種
良食味
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