| タイトル |
オオムギ麦角病の伝染源および有効薬剤 |
| 担当機関 |
富山県農業技術センター |
| 研究期間 |
1996~1997 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1996 |
| 要約 |
麦畑の優占雑草であるスズメノカタビラやスズメノテッポウの麦角病菌は大麦に病原性を示すことから,両雑草の麦角病菌はオオムギ麦角病の伝染源となり得る。オオムギ麦角病に対してはトリアジメホンやトリフルミゾール等のEBI剤の薬剤防除効果が高い。
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| 背景・ねらい |
麦角病はその麦角菌核中のアルカロイドが人畜に中毒を引き起こすことから流通上で慎重な対応が求められ,平成3年度から麦角粒として国内産麦類の検査基準(最高限度0.0%)が規定された。オオムギ麦角病の発生生態については不明な点が多いことから,その解明と防除法について検討した。
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| 成果の内容・特徴 |
- (1)麦角病菌の分類上の所属についてわが国では現在,オオムギ麦角病菌はClavicepus pu- rpurea,スズメノカタビラおよびスズメノテッポウの麦角病菌はC.purpurea var.alop- ecuri とされている(海外ではスズメノカタビラ麦角病菌はC.purpureaの分化した特殊な系統とされている)。本県産分離菌の性状を比較すると,いずれも菌糸生育適温は25~27.5 ℃付近にあり(データ略),分生胞子の形はスズメノテッポウ麦角病菌では他の菌に比較して丸い(表1)。
- (2)上記の植物から分離した3種の麦角病菌は上記2種の雑草に対していずれも病原性があ る。とくにスズメノカタビラに対しては噴霧接種法によって高い発病率を示し,多量の蜜滴の分泌と麦角形成を行った。以上のように両雑草の麦角病菌は大麦に寄生して本病の大きな伝染源になると考えられることから,伝染環遮断のためには雑草防除が重要である(表2)。
- (3)大麦への接種時期と麦角の形成について注射接種で検討した結果,出穂前には出穂期に 近づくほど,出穂後には出穂直後での麦角病菌の侵入で,いずれも麦角形成率が高いことから,出穂期を中心とした薬剤散布が最も有効であると考えられる(図1,図2)。
- (4)麦類に登録のある剤の中で,防除効果の高い薬剤はシプロコナゾール,トリフルミゾー ル,トリアジメホン,フェナリモルのEBIの4剤であり,これらは予防的にも治療的にも効果が高い(表3)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 現在のところ,麦角病防除を対象とした登録農薬はないが,トリフルミゾール,トリアジメホンの両剤はオオムギの赤かび病等に対して登録があることから,赤かび病との同時防除によって本病に対する防除効果が期待できる。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| 図表5 |
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| カテゴリ |
病害虫
大麦
雑草
農薬
防除
薬剤
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