コシヒカリの食味向上のための窒素吸収パターンの指標化

タイトル コシヒカリの食味向上のための窒素吸収パターンの指標化
担当機関 富山県農業技術センター
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 水稲品種コシヒカリにおいて幼穂形成期窒素吸収量と幼穂形成期~成熟期の窒素吸収量によって玄米窒素濃度を推定することが可能である。また、目標玄米窒素濃度のコシヒカリを生産するための窒素吸収パターンを整理し、食味向上のための指標とする。
背景・ねらい 富山県内に分布する水田土壌間において、コシヒカリの食味・品質の高位平準化を図るために、各土壌に共通の施肥管理上の指標について検討する。コシヒカリの食味は玄米窒素濃度と有意な負の相関を示すため、とくに玄米窒素濃度と水稲の幼穂形成期生育との関連を解析し、玄米窒素濃度を制御するための生育指標を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 玄米窒素濃度の変動のうち、およそ66%(R2=0.659)は土壌のタイプと水稲の生育
    期間中窒素吸収量によって説明できる。なかでも「幼穂形成期窒素吸収量(以下、幼形期窒素吸収量)」と「幼穂形成期~成熟期の窒素吸収量(以下、幼形期以降の窒素吸収量)」の影響が大きく、土壌タイプの影響は少ない。両窒素吸収量ともに多くなるにつれて玄米窒素濃度は高まり、最大で幼形期窒素吸収量では約0.1%、幼形期以降の窒素吸収量では約0.3%の差が生じる。(表1)
  2. 幼形期窒素吸収量と幼形期以降の窒素吸収量の2要因によって、土壌タイプを考慮せずに玄米窒素濃度を推定することが可能である(R2=0.773、標準誤差=0.059)(図1)。
    今後、両窒素吸収量を簡易に計測・推測する手法を開発すれば、ほ場段階においてリアルタイムに水稲の生育に呼応した施肥管理が可能になる。
  3. 幼形期・幼形期以降の窒素吸収量と玄米窒素濃度とのクロス集計により、目標玄米窒素濃度に誘導するためのコシヒカリの窒素吸収パターンが得られる(表2)。
    この結果、「幼形期に5g/㎡の窒素吸収量であった場合、それ以降の窒素吸収量を4g/㎡以内におさえれば窒素濃度1.2%未満の玄米を生産することが可能である」などの指標として利用できる。
成果の活用面・留意点
  1. 1996、1997年の平年作のコシヒカリ移植栽培より得られた結果である。冷害年等の異
    常気象下への適応性は確認していない。
図表1 214198-1.gif
図表2 214198-2.gif
図表3 214198-3.gif
カテゴリ 肥料 水田 水稲 施肥 凍害 品種 良食味

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