タイトル |
クワイの普通畑栽培と機械収穫 |
担当機関 |
新潟県農業総合研究所 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
20~40gの種クワイを15日程度水中催芽し、5月中旬に高畦黒マルチした普通畑に定植することにより、10月下旬に機械収穫が可能となる。
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背景・ねらい |
クワイの収穫は熟練者でも1人1日0.5アール程度と言われている。しかも作業は厳寒期の水田で行われるため作業環境は極めて厳しい。そこで収穫労力の軽減を図るために、コンベアー式球根収穫機による機械収穫を前提としたクワイの普通畑栽培の可能性について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 種クワイは20~40g程度のものがよい(図1)。
- 催芽はハウスないしは室内で、適当な容器に水を入れ種クワイの芽を上にして、約15日間催芽する。温度はなりゆきとするが、15℃以下及び30℃以上では生育が遅れる。催芽日数は長いほど多収となるが定植時の作業性が悪くなる(表1)。
- 栽培は普通畑とし、栽培期間が長期で、全期間マルチ被覆で、かつ追肥の省力のため、施肥は緩効性肥料を主体に全量基肥施用する。
- 作畦はトラクターの車輪幅及び収穫機の作業幅に合わせて出来るだけ高畦(30cm以上)にし、黒マルチを被覆する。
- 定植は5月中旬に行う。覆土は種クワイ上に5cm程度行い、発根節は確実に土中に埋める。栽植密度はアール当たり300株前後が標準的である(図2)。
- 収穫は地上部が枯上がってから行う。地上部を引き抜き、マルチ除去後、コンベアー式球根収穫機で掘り取る。10アール当たりの所要時間は5時間程度である(表2)。
- 収穫物は慣行の水田栽培のものに比べ、節数が多く変形の割合が多い。また、表皮の色は赤紫で、むらになりやすい。肉質は緻密(硬く)で独特の苦みがやや強い(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 施肥量は慣行の水田栽培の基準に準じて、アール当たりN成分量で2.5~3.0kgを、緩効性肥料を主体に全量基肥施用する。
- 定植後活着までは乾燥に注意し、適宜株元にかん水する。また、梅雨明け後は適宜畦間かん水する。
- 転作畑など重粘土壌で栽培した場合、コンベアー式球根収穫機が使用できるかどうかは不明である。
- 一般に苦みの強いものが好まれるが、外観、食味等の市場性については今後の検討課題である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
乾燥
くわい
栽培技術
収穫機
水田
施肥
マルチ除去
良食味
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