| タイトル |
米価低迷時における中核的稲作農家の経営意向 |
| 担当機関 |
福井県農業試験場 |
| 研究期間 |
1998~2000 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
2000 |
| 要約 |
最近の米価低迷の中で行った中核的稲作農家に対する経営意向の調査によると55歳未満の青壮年や大規模農家層ほど経営拡大や経営改善に積極的な意向を示す。また、55歳以上の熟・高年や小規模農家層は集落営農などにより他の農業者と連携して農業を継続していこうとしている。
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| 背景・ねらい |
1995年以降の米価低迷は稲作経営の農業所得に大きな影響を与えていることから、福井県内の中核的稲作農家が経営改善や農業継続にどのような考えを持って対処しようとしているのかを明らかにする。
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| 成果の内容・特徴 |
- アンケートは2000年1月に福井県内の中核的稲作農家に対して行い、456通の回答(回収率73.2%)を得た。回答者は小規模ほど高齢者が多くなった(図1)。アンケートは48の設問に対して「そう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそうは思わない」「そう思わない」の中から1つ選んでもらった。これらの選択肢に、+10、+5、0、-5、-10の得点を与え、回答者グループごとに得点の平均値を計算し、これを同意指数とした(+10に近いほどその設問内容に対して同意する回答者が多いことを示す)。
- 主成分分析の結果、寄与率は全般に低かったが、その中では経営規模拡大意向と地域農業推進の方向性に特徴が表れていた(表1)。そこで、関係する項目をX,Y軸とした平面座標上の年齢・規模階層別分布をみると、X軸の規模拡大意向は、耕作面積が大きくなるほどまた、年齢が若くなるほど強くなることや、Y軸の地域農業の方向性については、若齢の人や耕作規模が大きい農家ほど個別大規模農家に期待し、高齢の人や小規模農家は集落生産組合に期待する傾向にあることが示された(図2)。
- 55歳を境に55歳未満(以下青壮年)と55歳以上(以下熟・高年)で区分した農業観においても、青壮年は熟・高年に比べ農業で所得を上げることができるとしており、また生活を犠牲にしてまでも農地を守っていこうとする意向は弱いなど、大きな違いが見られた(表2)。
- 青壮年と熟・高年による考え方の違いが規模拡大、経営改善、農地保全についてどのように現れるかを検討したところ、規模拡大はいずれの耕作規模層においても青壮年の意欲が高く、特に5ha以上の大規模層での作業受託の積極的増加意向が顕著であった(図3)。経営改善手法としての生産物の個人販売と付加価値のあるコメ生産については、青壮年では規模が大きいほど積極的に取り入れたいとしているが、熟・高年の5ha未満層では、付加価値米の生産に関して青壮年より積極的であり、販売面よりも生産面で経営改善しようとする意向が示唆された(図4)。地域の農地保全では、青壮年が個別の大規模農家にもっと任せるべきだとしているのに対し、熟・高年や小規模層では集落営農を推進して農地を守るべきだとしていることが示された(図5)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 稲作農家の規模や年齢にそった経営・技術指導や地域の構成農家の特徴にそった地域農業を推進する際に活用できる。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| 図表5 |
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| 図表6 |
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| 図表7 |
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| カテゴリ |
規模拡大
経営管理
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