イチモンジセセリ第2世代幼虫の要防除密度

タイトル イチモンジセセリ第2世代幼虫の要防除密度
担当機関 長野県農事試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 減収率5%を要防除水準とした場合、遅植水稲でのイチモンジセセリ第2世代幼虫の要防除密度は、8月上旬(出穂約2週間前)で株当たり0.3頭である。
背景・ねらい イチモンジセセリ幼虫(イネツトムシ)の発生量は年次変動が大きく、第2世代幼虫が出穂期前後に稲葉を暴食し、遅植地帯で重要害虫となっている。そこで、幼虫密度と収量との関係を明らかにし、要防除密度を策定する。
成果の内容・特徴
  1. 平成5~7年に更埴市および戸倉町の一般農家慣行遅植水田でイチモンジセセリ第2世代幼虫の発生密度と収量との関係を調査した(表1)。
  2. 出穂直前頃(8月中下旬)に幼虫、蛹密度を調査し、玄米収量から最多収量区に対する各区の相対収量を求めたところ、幼虫、蛹密度と相対収量との間には明らかな相関関係が認められ、Y=0.889X2-10.52X+99.95(Y;相対収量、X;株当たり幼虫、蛹合計数、r2=0.960、n=12)の2次回帰式が得られた(図1)。この回帰式によれば、株当たり0.5頭の寄生で5%の減収、同1.0頭で10%の減収が見込まれる。
  3. 平成元、2年の調査結果を加え、8月中下旬(出穂直前頃)の幼虫、蛹密度と8月上旬(出穂約2週間前)の幼虫密度の関係を調べたところ、Y=1.39X+0.0808(Y;出穂直前頃の株当たり幼虫、蛹合計数、X;出穂約2週間前の株当たり幼虫数、r2=0.999、n=6)の直線回帰式が得られた(図2)。
  4. これらの結果から減収率5%を要防除水準とした場合のイチモンジセセリ第2世代幼虫の要防除密度は、8月上旬(出穂約2週間前)で株当たり0.3頭と推定される。
成果の活用面・留意点
  1. ここで示した要防除密度は計算上の値であり、これより低い密度でも要防除水準を越える場合もありうるので、目安として使用する。
  2. 発生の早い年には、8月上旬では防除適期を過ぎてしまう恐れがあるので注意する。
  3. 本試験は主に6月末移植の遅植水田地帯で実施されており、普通植え地帯での減収割合はやや低くなると推測される。
図表1 214998-1.gif
図表2 214998-2.gif
図表3 214998-3.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 水田 水稲 防除

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