タイトル |
施用窒素の形態によるほうれんそうのシュウ酸含有率の制御 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1995~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
水耕でアンモニア態窒素の比率を増すことにより、また露地栽培で緩効性窒素肥料を用いることにより、ほうれんそうのアンモニア態窒素の吸収が増加し、有害な品質成分であるシュウ酸含有率が低下した。
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背景・ねらい |
作物体に吸収された硝酸はアンモニアに還元され、さらにアミノ酸・タンパク質と代謝されるが、硝酸還元の際に、アルカリ化される細胞を中和するために有機酸が作られるとされている。また、培地へのアンモニア態窒素の混用によりほうれんそうのシュウ酸含有率が低下することが報告されている(総説:伊藤1992、米山・建部1992)。そこで水耕により硝酸態窒素とアンモニア態窒素の吸収とシュウ酸生成の関係を明らかにするとともに、露地栽培においても窒素をアンモニア態のまま直接吸収させることにより、ほうれんそうのシュウ酸の含有率を低下させようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 硝酸態窒素で水耕栽培した場合、ほうれんそうの体内で還元された窒素(全窒素-硝酸態窒素)の量が多いほど、全シュウ酸の生成量が多くなった(図1)。
- 水耕培地の窒素の比率が硝酸態:アンモニア態=5:5ではほうれんそうのアンモニア態窒素の吸収は全吸収窒素の21~29%、比率が2:8では48~51%であった(収穫前5日間)。そしてアンモニア態窒素の比率が大きいほど、ほうれんそうの全シュウ酸含有率は低下した(図2)。
- 被覆尿素および被覆リン安の条施により、土壌中に窒素がアンモニア態のまま存在し(図3)、収穫期のほうれんそうの全シュウ酸含有率が低下した。特に被覆リン安の施用では硫安施用の47~72%と大きな低下を示した(図4)。
- 緩効性の窒素を全層施肥した場合は、ほうれんそうの全シュウ酸含有率の低下は小さかった。また、条施でも降雨が少ない場合は、土壌にアンモニア態を上回る多量の硝酸態窒素が蓄積し、ほうれんそうの全シュウ酸含有率の低下は小さかった。
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成果の活用面・留意点 |
窒素施用量を変えるだけでは変化しにくいシュウ酸含有率を大きく低下させる方法として、水耕および露地栽培に応用できる。但し、露地栽培では環境条件により土壌中のアンモニア態窒素と硝酸態窒素の存在量が変化するため、より確実な条件設定について検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
水耕栽培
施肥
ほうれんそう
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